江戸時代から続くスイゼンジノリ養殖の老舗、朝倉市の「遠藤金川堂」(遠藤淳代表)が河川環境を守るために、自治体や民間企業に支援を求めている。8月に同業2社で集めた署名と改善要望書を森田俊介朝倉市長に提出。その後、遠藤金川堂の経営難を受け、今月3日森田市長がノリ養殖場のある黄金川を視察した。視察を終え森田市長は「水質の改善については下水道整備で対応したい」と応え、養殖業者及び川を守りたいと望む市民にとっては、大きな一歩となった。
視察はノリ養殖業者が案内役を務め、市関係者や地元住民など50名以上が集まった。黄金川の上流にある水源からスタートし、下流に向かって説明を聞きながら歩いた。枯れ果てた川の跡を眺めながら、以前の水量の多さを聞くたびに、参加者から驚きの声が上がった。
地域住民の参加も多く、関心の高さが窺えた。黄金川の下流に住む区長の一人は「日常すぎてあまり目に入らない景色を今日はじっくり見ることができた。黄金川はかつてもっと豊かだった。人の手で救えるのなら、助けてほしい」と熱く語っていた。また視察の途中ではスイゼンジノリの試食があり、地元住民からは「久しぶりに食べた。おいしかった。これが郷土の味。なくなってほしくない」とこの地域における黄金川の重要性を訴えた。
視察の様子が報道され、得意先から駆け込み注文が入っているというが、喫緊の課題である黄金川の水源確保に関していまだ具体的な解決策は見つかっていない。電動ポンプによる地下水汲み上げ費用は1ヶ月30万円以上かかる。支援なく、遠藤金川堂が廃業すれば、黄金川はまもなく水源を失う。
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