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トリアス 外資ファンドを取り巻く失望と疑念(4)
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2013年10月17日 07:00

<「旧運営会社の態度硬化を招いた理由とは」>
 「テナントさんに申し訳ない」。以前トリアス運営を受託していた(株)トリアスは悔いる。
 2010年秋、3つのゾーンが独自に出納管理していた販促費を、ラ・サール社の意向に沿って一本化する実務を担った。各販促委員会の作業負担を軽減できる合理的な判断だと考えられたからだ。
 ところが、11年春に(株)トリアスは突如契約を解除され、運営業務は他社に移管された。確かに出納作業は合理化されたが、前述の通り(連載(2))新しい運営会社は「守秘義務」を理由に明細を明かさない。旧運営会社(株)トリアスは「必要な情報公開はしてきた。販促費はその性質上公開しなければならない。もちろん弊社はその準備をしていた」と現状をなげく。

torius.jpg (株)トリアスは解約が違法であるとして直接の契約先である中央三井信託銀行を提訴している。現在最高裁にて争われている。(株)トリアスはもともとデベロッパーとして商業施設「トリアス」を開発した。好調に滑り出したが、直後より大型商業施設の参入が相次ぎ新たな投資資金の確保が不可欠となった。このため2005年に国内系ファンドのジェイ・ウェルパートナーズに資産売却し、(株)トリアスは経営権売却により運営受託会社となった。08年8月にラ・サール社に売却された際もPM契約は継続されていた。
 こうした経緯から旧デベロッパーとしての自負が訴訟まで発展した理由と見る向きもあった。実際に「解約前年は過去最高の売上をあげた」としてPM会社としての実績を上げていた渦中での解約だったことを指摘する。

 しかし、(株)トリアスは、「そういう問題ではない」と強調する。「契約ごとなので解約されることもあるだろうが、その理由が全く提示されなかった」と当時を振り返る。また、「何より利害関係者への責任が全うできなくなった」という。先のテナントへの販促費の公開も上げられるだろうが、実は見過ごせない案件がある。
 (株)トリアスは都市計画法に基づく開発許諾に際し3つ条件を義務付けられた。そのひとつが、雨天時の災害防止のための設備として調節池の設置だ。現在でも(株)トリアスは開発された不動産の一部を所有もしくは賃借しているが、2か所の調節池はこれらに隣接している。一方で、(株)トリアスは公租公課及び地代の負担が続いている。すなわち、デベロッパーが負うべき義務の一部を(株)トリアスが負わされ続けているいびつな状況に陥っているのだ。
 こうした状況を受けて(株)トリアスは「運営業務できない現況で責務全うは不可能」として今夏、久山町に対して都市計画法に基づく既許諾申請の抹消手続きを申請している。浮き彫りになったのは、運営会社変更は、テナントだけでない利害関係者との軋轢を生んでしまったことだ

(つづく)

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