<初の生え抜き社長の誕生>
沖縄は元気な小売業が多い。近年、沖縄県への移住者が多く、那覇市を中心に人口も増えていることが、小売業全体の成長を後押ししている。
県内最大手の「サンエー」をはじめ、百貨店を母体とする「リウボウ」、「タウンプラザかねひで」などが有名であるが、業界最大手のイオングループのイオン琉球(株)も抜群の存在感を示す。同社は2011年11月に沖縄県出身者として初めて社長に就任し3年目を迎えた末吉康敏社長が牽引する。
末吉社長はイオン琉球(株)の前身である(株)プリマート出身。グループ企業のマックスバリュ九州の取締役、西九州事業部長などを歴任し、11年11月のグループ人事により、初の県内出身者の社長となった。
イオン琉球は現在、イオンのGMS(総合スーパー)5店舗、マックスバリュ27店舗、ザ・ビッグ6店舗の計38店舗を展開する。13年2月期に売上高653億1,200万円を計上し、8期連続で増収を続けている。今期は700億円を突破する見通しで、県内でも一定の存在感を示すほどだ。
気さくな性格の末吉社長はイオングループで沖縄県に何を貢献できるのかを常に考えて行動しているとのこと。
末吉社長は社長に就任した際、社員に対して今後どのように進むべきかを語った。まず、第1に「従業員の豊かさ」、第2に「沖縄県民の生活の豊かさ」、この2つに貢献できる企業でありたいことを伝えた。従業員の豊かさは心の豊かさもさることながら、経済的な分野でも会社が応援するという意味。沖縄県民の生活の豊かさは具体的には、衣食住の分野で県民の方々に安くご提供すること、グループの特性を活用し、日本全国および海外のグループ店舗で沖縄の特産品販売や沖縄の情報を紹介するという使命をもっている、とした。
<15年には日本最大のイオンモール>
沖縄県の豊かさに貢献するという点では県内の雇用の面でも大きく貢献している。
末吉社長によると2、3年ほど前からイオン本体が沖縄県内での店舗展開に本腰を入れ、2年前にグループのイオンタウン(株)(旧ロック開発)と共同でイオンタウン南城大里を開設。来年には県内初となるイオンモール(名称 「イオンモール沖縄ライカム」)を北中城村の米軍ゴルフ場跡地に開設する。イオンモールの魅力が最大限に詰まった店舗は敷地面積17万5,000m2、駐車場は4,000台以上で、全国でもトップクラスの規模の施設となる予定だ。同社グループは県内から7~8割の集客を見込んでいる。同友店含むショッピングセンター全体では3,000名の従業員を新たに雇用する。
失業率の高い沖縄での積極雇用は地域貢献に繋がる。
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