NET-IBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、23日に開催されたシンポジウム『小沢一郎が語る これからの日本の政治と外交』の内容について紹介した、5月25日付の記事を紹介する。
5月23日(金)に開催された「小沢一郎議員を支援する会」主催シンポジウム『小沢一郎が語る これからの日本の政治と外交』は、会場を埋め尽くす市民が参加し、日本政治再生に向けて、歴史的な意義のある会合になった。開場までお運びいただいた皆様には、シンポジウム実施に参画させていただいた者の一人として、心から深く感謝の意を表したい。
シンポジウムでは生活の党代表の小沢一郎衆議院議員が1時間にわたって講演及び質疑応答に対応されて、会場を埋め尽くした聴衆をうならせた。
シンポジウム冒頭、「小沢一郎議員を支援する会」世話人代表の伊東章氏から、会のこれまでの活動経緯、本日のシンポジウムの意味、今後の活動方針などについて講話があった。そして、メイン講師である小沢氏の講演に先立って、元内閣総理大臣の鳩山友紀夫氏が激励挨拶をされ、万雷の拍手と歓声を浴びた。
私は両者の挨拶、講演ののちに、「安倍政権の経済政策を批判する」のテーマで30分の講演をさせていただいた。
来賓として出席された、二見伸明氏、川内博史氏、鈴木邦男氏、山宏太郎辻恵氏、森裕子氏からもスピーチがあった。司会は小沢遼子氏が担当した。
小沢氏と鳩山氏が登壇し、固い握手を交わした。歴史的に極めて意味の重いシンポジウムになったと言える。
シンポジウムの模様はUSTREAMでライブ中継され、合計視聴数は54,210に達している。極めて関心の高いイベントになったことがわかる。
登壇者のスピーチ内容をアーカイブ映像で視聴することができる。アーカイブ映像は3本に編集されており、以下の配分になっている。
1(37分10秒間)
冒頭 二見伸明氏
6分経過時点から 鳩山友紀夫氏激励挨拶
26分55秒 鳩山氏と小沢氏握手
28分24秒から 小沢一郎氏講演
2(27分44秒間)
冒頭から 小沢一郎氏講演(続き)
4分30秒から 質疑応答
3(76分45秒間)
冒頭から30分45秒まで 植草一秀 講演「安倍政権の経済政策を批判する」
30分45秒から 質疑応答
41分50秒から 川内博史氏
53分45秒から 鈴木邦男氏
1時間経過後から 山崎行太郎氏
1時間3分5秒から 辻恵氏
1時間10分0秒から 森ゆう子氏
日本政治は2009年に光り輝く時を迎えたが、爾来、4年半の時間が経過して、大きく時計の針を巻き戻されてしまった。小沢一郎氏が提唱した「国民の生活が第一」の政治が破壊され、特定の既得権益が支配する政治に逆戻りした。この現状を、もう一度、変えることができるのかどうか。
鳩山友紀夫元首相は、小沢一郎氏を軸に、日本政治をもう一度、国民のためのものにするために、協力を惜しまない意思を表明された。小沢一郎氏は、もう一度、政権交代を実現しなければならないこと、そして、それは次の総選挙でも十分に可能であるとの見解を示した。
二見伸明氏は現在の安倍政権を支える側に位置する公明党の支持母体である創価学会は、「平和と福祉」の路線を掲げており、集団的自衛権の問題等で、本来は、安倍連立政権から離脱するのが筋ではないかとの主張が示された。
辻恵氏からは、ファシズムに関して、極めて重要な指摘があった。その概要をいかに記す。
辻氏はファシズムはイタリアのファシスト党に由来すると考える。その特徴は、対外的な排外主義と、国内における議会制民主主義を無視した強権的な独裁にあるとする。第二次大戦前のドイツで、1932年、ナチス党は40%台の議席を占有した。しかし、過半数は確保していなかった。
このなかで、1,933年、国会炎上事件という謀略事件を引き起こし、共産党を活動停止に追い込む。そして、全権委任法という法律を制定するのではなく、国会で決議してナチスによる独裁体制が作られていった。
問題は、社会民主党だけは反対したが、その他の中間勢力がこの決議に賛成して、ナチスの独裁体制が構築された点にある。
いまの日本では、共産党と社会民主党が埒外に外され、そのなかで、野党勢力の合従連衡が取り沙汰されている。1933年のドイツの状況と酷似している。
※続きは25日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第871号「ナチスによる独裁が成立した経緯に学ぶ」で。
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