積極的平和主義に強い危機感~事業家・関根健次氏(4)
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ユナイテッドピープル(株) 代表取締役 関根 健次 氏
個を持ちもっと議論しよう
―― 最近、安保反対のデモで若者が「平和」について叫ぶシーンを見ます。その平和への情熱を、今後の日本を支える原動力として、どうリンクさせていけばいいと思いますか。
関根 これまで、日本人は大きなもの、たとえば国や大企業に依存する体質が身に染みついてしまったと思います。老後の生活は年金に、子どもの教育は学資保険に、家を建てるのは住宅ローンにといったのも同様です。
そうではなくて、若者にはどんどん事業を興してもらって、大きなものに流されず、また大きなものをただ単に批判するだけではなく、自ら立ち、自ら考え、自ら事を興し、まっすぐ自分の気持ちを伝えていってほしいですね。それぞれが「個」を持つようになれば、誰にも流されることなく、影響されることもありません。これまでは、大企業で勤める、大きな組織に属するのが大前提だったのですが、そうではない時代に入ってきたと思います。今は資本金1円から起業できますし、資金がなければ私がやったようなクラウドファンディングなど、夢を叶える選択肢も増えました。
英語を使えば世界中から資金を集められます。たとえば海外では、新しくゲームを作る人が1億円集めたというケースもありました。我々もイベント開催費をクラウドファンディングで集めましたが、想像以上の結果でした。それだけ「平和」に対する日本人の意識が高いこともわかりました。
今回クラウドファンディングを使ったのは、単なる寄付ではなく、一緒に参加してもらいたいという気持ちがあったからです。「積極的平和」の真の意味を伝えるムーブメントを一緒に盛り上げたかったのです。8月19日(東京)と21日(横浜)の2回、イベントを開催しました。19日は社会人向けでした。21日は学生向けで、おかげさまで200人の学生を無料招待することができました。
「就職できなくなるかもしれないから、今は声を上げておくのを止めておこう」。こう考える人は、きっと仕事に就いたら「就職先に迷惑をかけられないから、今は声を上げるのを止めておこう」と言うでしょう。つまり、個人としての表現をあきらめてしまっているのです。これは政治家や大企業の人にも同じことが起こっています。個と個の関係性のなかで議論を深めることが民主主義であり、より良い選択を導きだすと思います。
今や、与党が示す「平和」とは違う代替案を、国民が議論していくべきフェーズに入りました。次の重要なタイミングである参院選には、18歳にも参政権が与えられます。その世代の若者も含めて、日本が「平和立国」となるためにも、勇気を持ってもっと活発な議論をしてほしいと思います。(了)
【大根田 康介】<プロフィール>
関根 健次(せきね・けんじ)
ユナイテッドピープル(株)代表取締役
一般社団法人国際平和映像祭 代表理事
1976年生まれ。ベロイト大学経済学部卒(アメリカ)。大学の卒業旅行で世界半周の旅へ出る。途中偶然訪れた紛争地で世界の現実と出会い、後に平和実現が人生のミッションとなる。2002年に世界の課題解決を事業目的とする非営利会社、ユナイテッドピープル株式会社を創業。2009年から映画事業を開始。2011年から国連が定めたピースデー、9月21日を広める活動を開始。同年、一般社団法人国際平和映像祭を設立し、ピースデーに毎年国際平和映像祭(UFPFF)を開催している。著書に『ユナイテッドピープル』がある。法人名
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