東ヨーロッパには何があるのだろう(18)
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国境を越えてラトビアへ
今や、過去の遺物となった国境検問所。もちろん、入国審査はない。国境をあっというまに通り過ぎ、隣国に入ることができる。もちろん、難民も同じように国境を通過することになる。いやはや…。
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シェンゲン協定で、今や休憩や給油に利用されるだけになった国境検問所
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国境をあっという間に越える
ラトビアは、バルト三国の真ん中に位置する。ここは、南隣のリトアニアと違って、ロシア人が多い。国民の3人に1人がロシア人だ。ラトビア人の比率は60%。宗教も、カトリックではなくプロテスタントが多く、ロシア正教やカトリックと併存する。
この国は、三国のなかで最も古い800年の歴史を持つ。首都はリガ。古くは東ローマ帝国との交易中継で栄えたが、交通の要衝という地理的なポジションから、13世紀から16世紀にかけては隣のバルト二国同様、ドイツやスウェーデンなどから侵略を受けたという。
さらに先の大戦では、ナチスドイツやソ連が侵攻する。この地でもユダヤ人には、他の東ヨーロッパ平原の国と同様、悲惨な運命が待っていた。これもまた、何という理不尽。<
バルト三国の景色はほぼ共通。緑の海にポツンと農家が浮かぶ
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大型農機をそろえた農機販売店もそのなかに。周囲に住宅はない
もともとの住民はリーヴ人と言われるが、各国の侵略と混血で、今やごく少数になったと言われる。それでも、ラトビアの民族主義は厳然として存在していることを示している。ああ、我が祖国、そして民族…。ドイツ系、ロシア系、そして無国籍の人々。この国には今でも、ある種の危うさが漂う。この感覚も、我々日本人には無縁だ。
バルト三国の鉄道は、運行時間、便数ともに評判が悪い。かといって、都会以外は長距離を除いて、バスの便も良いとは思えない。郊外ではどのバス停にも人影は少ないし、走るバスの姿もめったに見ない。
(つづく)
<プロフィール>
神戸 彲(かんべ・みずち)
1947年生まれ、宮崎県出身。74年寿屋入社、えじまや社長、ハロー専務などを経て、2003年ハローデイに入社。取締役、常務を経て、09年に同社を退社。10年1月に(株)ハイマートの顧問に就任し、同5月に代表取締役社長に就任。流通コンサルタント業「スーパーマーケットプランニング未来」の代表を経て、現在は流通アナリスト。関連記事
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