自主回収から4年、『茶のしずく』問題を振り返る(6)
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情報番組の司会に被害者が困惑
被害者の間では、3月30日からTBSで放送開始した朝の情報番組「白熱ライブ ビビット」が話題となっている。この番組では、『茶のしずく』のテレビCMに出演し、大ヒットのきっかけとなった女優の真矢ミキさんが司会に抜擢されているためだ。
被害者のなかには思い出したくない人もいるが、朝にテレビをつけたら見てしまうこともある。TBSに抗議の電話をした被害者によると、電話に出たプロデューサーは、『茶のしずく』裁判がまだ継続中であることを知らなかったという。
重篤患者は改善せず日常生活に支障も
市民公開講座を受講した被害者は、「食後の運動を控えるなどの条件付きであれば、略治はまだ爆弾を抱えた状態だと思う。また、半数が回復しているということは、半数の患者が回復していないということ。まだ半数もいる症状が改善しない人たちは、特別委員会の解散後どうなるのか」と不安をにじませた。
症状が軽い被害者の一部では、小麦を含む食品を食べられるようになった人もいるが、アナフィラキシーショック症状が出た重度の被害者では、今でも小麦食品を食べると「痒みが出る」「目の周りが腫れる」など、何らかの症状が出るという。また、小麦食品だけでなく、鎮痛作用のある医薬品が摂取できないなど、日常生活に支障が出ているケースもみられる。
アレルギーの数値が下がったからと言って、小麦食品が食べられるようになるわけではない。弁護団によれば、5年間小麦を摂取せず、IgE抗体の数値が下がってきた患者が相模原病院で負荷試験を実施したところ、食パンの16分の1を食べてから30分後、小麦アレルギー症状を発症した。このため、裁判の個別立証では、小麦食品を食べる負荷試験を受けて、小麦が食べられない状態であることを証明するのが理想的だが、アレルギー症状が発生するリスクもあるため、受けられない原告が多いという。
東京地裁の和解案を間近に控え、原告の1人は「どんな事件もそうだが、時間の経過とともに世間から忘れられていく。でも当事者は忘れるどころか、苦しみ、悲しみ、怒り、諦めなどの感情がますます募るばかり。今後、裁判所からどのような和解案が提示されるかわからないが、悠香から謝罪の言葉が聞けることを願っている」と話している。
(了)
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