軍艦島に新たなストーリーが誕生~映画「進撃の巨人」完成報告会見(前)
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2015年8月1日・9月19日に連続公開される映画「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」(前編)、「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンドオブザワールド」(後編)の完成報告会見が、世界文化遺産登録を目前に控える「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」の構成資産として、注目を集めている長崎市端島(通称「軍艦島」)で行われた。同映画は、14年5月11日に端島でクランクイン。会見では、樋口真嗣監督や出演者から、「軍艦島」と映画作品の結びつきなどについても語られた。
樋口監督「哀しくて美しい風景」
同映画は、2009年に「別冊少年マガジン」で連載が始まり、全世界での累計発行部数が5,000万部を突破した大ヒットコミック「進撃の巨人」(原作:諫山創/講談社))の実写版。そのメガホンをとった樋口監督は5年前、実写化の話が出る前に、長崎市の炭鉱文化研究会を通じて「軍艦島」に入島し、「哀しくて美しい風景がここにある」「いつかここで映画を撮りたいと思った」という。その後、「進撃の巨人」と出会い、「人間が絶滅の危機に瀕しているという(原作の)過酷な環境とかぶるところがある」「今時の技術なら後で撮って、ブルーバックで合成することも簡単にできるが、キャストのみんなを連れてきて、世界観を肌で体験してもらいたい」と、撮影地としてクランクインの場所に選んだ。
出演者たちも軍艦島の雰囲気が作品のイメージに合っていると口々に語った。主人公エレン役を務めた三浦春馬さんは、「降り立った瞬間に、当時、5,200人ぐらいの人口を占めていた軍艦島で、最深部1,200mぐらいの深さまで男たちが掘って炭鉱を築き上げていたという歴史、その活気を肌で感じ、気を引き締めさせてくれました」とコメント。ヒロイン・ミカサ役の水原希子さんは、「廃墟というものとはまた違う、不思議な気力を感じるというか、怖いというエネルギーではなく、まだ活気が残っていて、そのエネルギーをポジティブに感じていました」という。
アルミン役で共演した本郷奏多さんは、「進撃の巨人も人が住んでいたのに、巨人に襲撃されて人が住めなくなってしまった、一瞬で人がいなくなったみたいなことなので、エネルギーが一瞬でなくなった感がマッチしている」とコメント。女上官・ハンジ役としてスピンオフ作品にも出演した石原さとみさんは、「劇中で外壁調査のために、(巨人がいる)壁の外に出るという瞬間の撮影をした時の感情にとても似ているんですが、着させられている感のあった『進撃の巨人』のコスチュームが、島に降り立った瞬間に、自分の“戦闘服”になった気がしました」と、ロケ地・端島の印象を語った。
(つづく)
【山下 康太】▼関連リンク
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