2024年11月05日( 火 )

まれにみる無責任なドタバタ倒産劇~(株)三栄ホーム(3)

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 大分市内に本社を構え、戸建住宅の建築、販売を手がけていた(株)三栄ホーム。社員のほとんどが予期しなかった倒産劇に、いくつかの穏やかではない事実が明らかとなった。

sanei そこで、事業を引き継いだのが江野畑氏であった。2009年9月、別会社に三栄都市の資産負債を継承させ、(株)三栄ホームが誕生した。マンション事業から撤退し、低価格を売りに、戸建住宅事業を推進。同業者によると、「現場を見かける数も多く、営業力、販売力は高かった」と話す。スタートから2期は赤字を計上したが、その後は黒字を維持。売上高は増収傾向にあった。表面的には負債も軽く、事業も安定。営業力も評価が高く、再建は成功したかにみえた。江野畑氏が不動産や高級外車を次々、購入する姿から「仕事はうまくいっている」と思った関係者は多い。

 しかし、後で発覚するのだが、簿外に多額の債務が存在していることが関係者の話から明らかとなった。そこで、手を出したのがノンバンクだ。はじめは3,000万円ほどだったと聞くが、その情報を銀行がキャッチ。銀行が追加融資をしなくなったために、資金調達が困難となり、さらにノンバンクへ向かうことに。借入金は瞬く間に膨れ上がり、総額は数億円にのぼっていると言われる。「支払いサイトが延び、すべて手形になった。3、4年前からすでに厳しそうだなと感じていた。」と取引先は語る。従来の取引先も警戒し始め、資材については、県内業者はことごとく手を引いた。そこで、県外の建材業者が債権者に挙がっている。

(つづく)
【東城 洋平】

<COMPANY INFORMATION>
(株)三栄ホーム
代 表:江野畑 敬一
所在地:大分市生石港町2-6-11
設 立:1997年9月
資本金:2,000万円
売上高:(14/8)約13億3,000万円
負債総額:約12億9,000万円

 
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