2024年11月06日( 水 )

西日本シティ銀行内部事情、常務が募金強要?(8)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

nisisitexi 銀行では、取引先などからの寄付や物品購入のお願いは頻繁にあるという。西日本シティ銀行のある現役行員によると「寄付のお願いなんて、行内ではよくあることです。今回の件も大きな問題とは感じません」と回答する人もいた。

 しかし、今回は銀行内で要請される一般的な寄付とは対象や趣旨が違う。同窓会支部長の竹尾祐幸本店営業部長兼福岡支店長と、副支部長の坂口淳一人事部長兼人材開発室長から、西南大学を卒業した行員のみへの募金要請である。
 「募金のお願い」では、職階ごとに募金金額の目安までを提示している。また「西南学院同窓会会員の皆さまへ」と題する文章では、「西南大学のメインバンク」「特に親密な関係を築いている」「同窓会連合会の会長を元福岡シティ銀行副頭取である中氏が務めている」といった趣旨を理解させたうえで募金を要請。その中では同行支部を「同窓会の中で最大の支部」と述べ、「福岡銀行支部も同様に協力する」とライバル銀行への対抗心もむき出しにしていた。

 この件に関して、西日本シティ銀行以外の銀行など金融機関に取材した。
 ある支店長は「顔づくりでしょう。大学側から個人的に寄付のお願いは来ているので、それ以上のことはうちではしません」と断言した。

 また他行の元役員は「西南大学に、ここまでしたということを見せたかったのではないか。単なる2人の顔づくりだろう」という見方を示した。

 西南大学卒の他行現役女子行員は、同様の募金願いが来ていると話した。ただし「実際に募金依頼のような通達はありましたが、必ず募金しなければならないなどの文言は一切ありませんでした」ということだった。また「仮に役員など上部の者からの協力要請があっても、私はパワハラだとは感じません」と答えた。「役席者からの依頼」だとしても、協力するかしないかは自由に判断できるからだという。「自分は女子行員なので昇進などは気にしていないから自由な判断ができるが、男性の立場だったら、発信者が役席者などの場合、今後の自分の立場を考えて上からの協力要請には応えなければ、という気持ちになるかもしれないですね」と語った。

 竹尾、坂口両氏に対して、西日本シティ銀行の元行員は「申し分ない人柄」と評価した。同行の中でも西南大学卒の出世頭であろう竹尾氏の「今回の件はやり過ぎた」という言葉のとおり、常務執行役員として軽率な行動をとってしまったのはなぜか。

(つづく)
【特別取材班】

<COMPANY INFORMATION>
取締役頭取:谷川 浩道
所在地:福岡市博多区博多駅前3丁目1番1号
設 立:1944年12月1日
資本金:857億円
TEL:092-476-1111

 
(7)
(9)

関連記事