かつては愛媛老舗の優良企業~ジョー・コーポレーション破綻
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愛媛県松山市に本社を置く(株)ジョー・コーポレーション(中岡大起代表)が、7月15日に松山地裁より破産手続開始決定を受けた。負債総額は約72億7,500万円が見込まれている。同社は2009年1月21日に、負債総額約90億円を抱え、民事再生法の適用を申請。再建を図っていたが、道半ばでの破産となった。
老舗優良企業へ成長
同社は1950年6月に愛媛県喜多郡内子町で中岡組を創業、64年6月に(株)中岡組として法人化した。創業当初は公共工事を主体に土木・建築業を手がけていた。80年代半ばからは商業ビルや一般住宅などの民間工事にシフト。88年7月、より大きな市場を求めて、松山支店を開設し、積極的な受注姿勢を見せていた。当時、大手ゼネコンが手がけていなかったパチンコ店に着目し、営業活動を展開。売上高は90年に30億円台、翌年には40億円台に急成長し、愛媛県内の中堅ゼネコンとして、認知度も高まっていった。
その後、賃貸・自社分譲マンションに加え、戸建住宅と展開し、従来の店舗ビル建築と合わせ、4事業でさらなる飛躍を図った。自社分譲マンションの「サントノーレ」シリーズは、ローコストを謳い文句に販売エリアを拡大。99年12月期には売上高100億円を突破。01年1月に中国、02年8月に九州へ進出。03年4月には、負債約217億円を抱え民事再生法の適用を申請した高木工務店のスポンサーに名乗りを挙げ、同年8月に(株)ジョー・コーポレーション高木を設立し、資本参加した。関東にも進出を果たし、06年12月にはピークとなる341億1,842万円の売上高を計上。九州地区では、(株)ジョー・コーポレーション九州で福岡から鹿児島まで営業エリアを拡大していた。
自社ブランド低迷
しかし、翌07年12月期の売上高は244億1,845万円に急減する。07年6月に施行された改正建築基準法の影響で着工が遅れたことや、資材高騰によるマンション需要の伸び悩みもあった。これらが「サントレーノ」シリーズを直撃し、受注は減少し、結果15億円を超える最終赤字を計上することとなった。業績の悪化に加え、分譲マンション事業への依存度の高さから、借入金が膨らみ、さらには大口の未収金が発生するなど資金繰りにも支障をきたした。08年2月には一部仕入先、外注先へ支払い延期要請を行ったことから、信用不安が広がるなど厳しい状況となった。
再起目指したが
このため、分譲マンション事業からの撤退、改善計画を練り、事業の立て直しを図っていたが、業績は回復の兆しを見せず、09年1月21日に、負債総額約90億円を抱え、民事再生法の適用を申請。その後、マンション事業から撤退し、戸建住宅事業へシフト。13年12月期には52億2,790万円まで売上高を回復させていたが、ローコスト路線からは脱却できず、価格競争のなかで、安値受注を余儀なくされ、採算性が悪化。今年2月中旬に事業および従業員を他社へ転籍させ、2月25日には債務整理に入っていた。
拡大を急ぎすぎたのが、最大の原因なのか。再建計画、道半ばでの破産となった。【東城 洋平】
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