山銀頭取、ゴルフ半額プレーで訴訟に(番外編8)
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「人を盗人扱いするような内容です。これは断じて許すわけにはいきません」。
理事長らが会員から、ゴルフ倶楽部に損害を与えたとして社員代表訴訟が行われている下関ゴルフ倶楽部。会員らが委任状を集め、倶楽部に提出、内部資料の開示を求め、その不透明な経営実態が解明されつつある。16日、情報開示請求をしている会員の代理人弁護士のもとに、倶楽部側代理人弁護士から奇妙なファックスが届いた。「住氏(情報開示請求の取りまとめ役。半額プレー訴訟の原告でもある)が依頼倶楽部の元帳の三冊目を持ち帰られたようです。従って至急これをお返しください」。
現在も情報開示の請求をしている最中の、突然のできごとだ。閲覧の際には倶楽部側の職員が立ち会っているし、閲覧後に書類がそろっているか確認くらいするはずだ。最後の閲覧から約10日が経過して後、このようなファックスが突然届いたのである。「情報開示は十分ではありません。まだ開示されていない書類があります。その書類の開示を求めている最中、書類の準備ができたなどといった返事ではなく、帳簿を持ち帰ったから返却せよ、というファックスが届きました。私たちは当然、持ち帰ってなどいませんし、持ち帰ることができるような閲覧の方法もとられていません。にもかかわらず、このように私が持ち帰ったと個人名を出して断定されています。人を盗人扱いするような内容は非常に腹立たしいです」。
住氏は怒りをあらわにする。ファックスが届いてすぐに住氏らは閲覧に同行した他の会員らに確認をとった。結果、当然だが、誰も持ち帰ってなどいないことがわかった。その調査結果を踏まえ、住氏ら会員の代理人弁護士を通じて誰も持ち帰っていない旨を伝えた。17日のことである。すると同日、その返事が倶楽部から届いた。「すべての梱包を解いて再度確認したところ、見つかった。小職(倶楽部支配人)の確認不足で大変な手数をとらせたことをお詫びする」。
帳簿は倶楽部内にあったのである。住氏らはいぶかしむ。帳簿を開示できないのは会員が持ち帰ったせいで手元にないからである、もしくは、帳簿を持ち帰るような人物に閲覧させるわけにはいかない、と言いたかったのだろうか。もしくは、窃盗罪で訴えるようなことをしたかったのか。会員からの返答後、すぐに書類が見つかるというのもおかしな話だ、という。
また、住氏はこうも言う。そこまでして閲覧させたくない何かがあるのだろうか、と。現在も住氏ら会員による帳簿開示請求と、開示された書類の分析が進められている。それによって新たな事実も判明しつつある。理事と会員、その争いは激しさを増している。【柳 茂嘉】
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