福岡から世界へ、世界で1つのカバンで世界一に(前)
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(株)ポルコロッソ 代表取締役 池田 達昭 氏
「カバンのオーダーで世界一」を掲げ、福岡よりバッグ、革小物、見廻り品の卸売、小売、さらにインターネットによる通信販売を展開する(株)ポルコロッソ。自社での制作の工程は、国内で行う純国産を徹底する。同社は業界内において、どこよりも早くインターネットによる通信販売を立ち上げ、事業化に成長させた第一人者として認知されている。同社の歩んで来た道と現在、そして将来像について、同社代表取締役の池田達昭氏に語っていただいた。
(聞き手:弊社代表・児玉 直)
紳士服の出身
──商品の企画・デザインから制作、そして販売まで、ワンストップの事業を実践されるようになったきっかけをお聞かせください。
池田 もともと紳士服のメーカーに勤めておりました。その後、脱サラし、紳士服スーツのオーダーで独立することを進めておりました。
当時、福岡玉屋さんの紳士服の部長と懇意にさせていただいており、その部長に挨拶をかねて訪問して独立する旨を話したところ、「池田さん、今フロア内で10坪ほど空いているので、仕事をしてみないか」とのご提案を受けました。思わぬことで嬉しく「良いのですか?」と私が言うと、「池田さんの好きなように使っていい」と一任していただきました。すぐに準備に取りかかり、紳士服スーツのオーダー、それだけでは物足りない感があったのでいろいろ吟味した結果、カバンを取り扱うことに決めました。
カバンを探していたなかで、東京の渋谷に受注生産する革のカバン製造の会社を見つけ、飛び込みで訪問しました。その会社は、大手流通の店舗へ商品を納めており、商品サンプルを展示してお客さまの注文を受けて生産するスタイルで、好評を得ておりました。これは、オーダースーツと一緒に展開すれば面白いと構想し、カバンのポケットなどお客さまの細かなリクエストには応えられるということで、“オーダーカバン”としてオーダースーツとともに商品展開を実施しました。
当時は革のバッグの需要が減少し、ナイロン製のビジネスバッグが主流となっておりました。それでもオーダーのカバンという目新しいことで、お客さまから高い評価をいただき、好感触を得られました。しかしその矢先、福岡玉屋さんの廃業(1999年7月15日閉店)という事態となり、フロア内のテナントの撤退が相次ぎスペースが空いてしまいました。その空きスペースで「閉店セールをぜひともやらせてください」と提案し、福岡玉屋さんも了承していただきました。さまざまな商品を集めて、廃業が表面化した99年3月から7月15日まで閉店セールを行ったところ、大盛況となり1,500万円の利益を出すことができました。
弊社は98年12月に設立しておりましたが、資金的に余裕があったわけではありません。そのようななかで関係各位のご協力とともに、福岡玉屋さんの歴史に幕を閉じるときに商売をさせていただき、次の事業の礎をつくれたことに対し、感謝の言葉しか見つかりません。(つづく)
【文・構成:河原 清明】<COMPANY INFORMATION>
代 表:池田 達昭
所在地:福岡市博多区博多駅前3-4-8
設 立:1998年12月
資本金:6,005万円
売上高:(14/8)5億2,000万円
TEL:092-409-8960
URL:http://www.porco-rosso.co.jp/関連記事
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