台風13号、台湾や福建省に大きな被害
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8月8日に発生した台風13号は、台湾を横断し中国大陸に抜けるなかで、各地に大きな被害をもたらした。台湾西側・離島の馬祖島では、瞬間最大風速が47メートルを超え、新北市では17メートルを超える高波を観測。台湾、中国福建省などを含めると、死者と行方不明者数は10名を超え、400人以上がけがをした(11日AM現在)。
台湾では、嘉義県に日本統治時代から残されていた建築物「呉杯初済生病院」の外壁が崩れ落ちる被害も出た。台湾各地では大規模な停電が起こり、台湾電力では停電戸数を過去最多の322万戸と発表。台湾メディア関係者は「台湾のインフラ整備不足は有事の時に際立つ。日頃、順調に発展しているように見えても、こういう時に『整備されていない』ということが露呈する。何も起きないに越したことはないが、自然はやはり脅威でもある。耐震建築偽装や、設計に関しての詐欺が明るみに出るのは、いつも天災が起きた時だ」と指摘する。国の農業委員会によるとバナナなどを中心に強風で吹き飛ばされ、約2億3000万台湾元(約9億円)の損害が出たという。
8日は、LCC航空会社・ピーチアビエーションが「羽田~台北便」を開設し、初便を早朝に運航する予定だったが、出発が11時間近く遅れ、夕方の出発となった。
また、台風は台湾を抜けて、福建省に到達し、福建省でも140万戸が停電するなどの大きな被害が出た。CCTV(中国中央電視台)では「車が逆さにひっくり返った」映像を放送、11日の時点では、住民に避難を呼びかけているが、被害状況等は把握できていない状況が続いている。台湾メディア関係者は「日本では、よほどの大きな台風が来なければ、大規模な停電などはあまり起こらない。しかし、台湾や中国では、台風が来るたびに、生活の基盤が脅かされる。根本的なインフラ整備ができていない証拠だ」と分析している。
【杉本 尚丈】
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