旧帝国海軍の伝統が生み出した自衛隊初の簡易入札制度(前)
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海上自衛隊 佐世保地方総監部
自分ができる仕事を選んで入札できる簡易入札制度「オープンカウンター方式」が、昨年10月から海上自衛隊佐世保地方総監部に導入された。地元業者を中心に、同制度の認知が高まっており、今や、日々、調達リストをチェックする業者は珍しくないという。同制度は、九州・沖縄の中小企業を対象としており、これまで取引実績のなかった事業者にもビジネスチャンスが広がっている。
3億円の市場がすべてオープンに
昨年10月から海上自衛隊佐世保地方総監部が独自に導入した簡易入札制度「オープンカウンター方式」は、予定価格160万円以下の物品と100万円以下の役務が対象。それまで複数の業者を指名し、各社の見積額を比べて決める「見積もり合わせ」をやめ、九州・沖縄の中小企業なら、文字通り、オープンに参加できる。
対象となる物品や役務のリストは、同総監部のホームページなどで公開されている。その内容を見ると、物品では文房具、米、調味料、切手、清掃道具、出版物など様々。役務も、ボイラーや受配電設備の点検、大型バスの借り上げなど多種多様。「見積もり合わせ」では、指名された業者しか知り得ることができなかった市場であり、「2015年度で3億円以上の市場がある」という。
入札までの流れは以下の通りだ。まず、リスト(表参照)から取り扱いが可能な案件を確認し、総監部契約課へ電話(TEL:0956-23-7111 内線3252又は3253)し、詳細な内容が書かれた仕様書を入手。その際、契約担当者から取引開始までの必要書類や仕様書の受領方法についての説明が行われる。はじめて自衛隊などの国の機関と取引をする場合は、「全省庁統一資格審査」の申請(総務省)が必要だが、そちらはインターネットで簡単に申請することができる(「全省庁統一資格審査」でネット検索)。
その後、作成した所定の見積書の原本を期限内までに総監部に常設された専用ボックス(画像)に提出(初取引の際は、全省庁統一資格審査の申請完了画面をプリントアウトし、一緒に提出する)。最安値を付けた業者が落札となり、落札結果は契約課から連絡が入ることになっている。見積書は契約課に郵送することでもできる。ダンピングなど過当競争を防ぐため、専用ボックスには意見ボックスも併設されており、落札額や仕様書の内容に関する意見を募集している。
(つづく)
【山下 康太】▼関連リンク
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