建設産業の担い手確保・育成対策について(中)
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一般財団法人 建設業振興基金
構造改善センター 研究部長・人材育成支援担当部長
長谷川 周夫 氏担い手確保において、女性の潜在力をいかに活用していくのかというのも、重要になっています。業界団体では、建設業に従事する女性を「けんせつ小町」と名付け、PRを行っています。女性が活躍できる建設業について、先進的な取り組みを行っている企業に、資金的援助を行うものです。たとえば、女性が就職しやすいように、情報提供や女子学生と企業が接触する機会を効果的に提供すること。一企業内で女性が孤立しないように、複数の企業で連携して女性の交流を図り、定着を促進させること。休職や離職後にも復帰しやすいように技術・技能の回復に向けた研修や再就職を促進すること―などが挙げられます。
さらに、建設労働者緊急育成支援事業では、厚生労働省から委託を受けた基金を中央拠点とし、地域の建設産業団体12カ所程度を地方拠点として設置。募集、訓練、就職支援をパッケージにして、実施します。全国各地において、未就職者や未経験者に、座学および実習の訓練を行い、就職支援まで含めた支援を行います。とくに職人不足が深刻である型枠工、鉄筋工、とび工において、その技能者を養成する公共施設が非常に少ない。そこで、民間の力を結集して、課題に挑んでもらえないかというのが趣旨なのです。
年間約1,000人規模で、5年間かけて5,000人を養成することを想定しています。基金は東京にしか、拠点を設けることができません。全国で技術者を養成していくことを考えると、地方の建設業協会や専門工事業組合の力を借りるほかありません。そこで、協力していただける団体を募ったところ、今年度は全国15団体が手をあげてくださいました。6億円の予算をいただきますので、訓練経費や拠点に配置するスタッフの人件費も予算内に含んでおります。そのため、基本的に訓練を受ける方は無料で受講し、資格を取ることができる内容となっています。順調にいけば、訓練メニューを固めて、秋以降に募集を開始し、訓練を2カ月程度行い、斡旋していく予定です。(つづく)
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