2024年11月24日( 日 )

難所の数々を乗り越えたからこそ若者に伝えたい建設業の醍醐味(後)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

大祥建設(株)/(株)店舗開発マネジメント

 福岡市の老舗建築会社、大祥建設(株)は、個別指導塾を国内外で運営する(株)SCホールディングス(以下SCHD)のグループ会社。教室設営を迅速かつ確実に行うための建設部門の要として、同グループを支えている。代表取締役社長の平城重則氏は、今年度からは同じグループ内の(株)店舗開発マネジメントの代表も兼ねるようになった。目下、若手社員の教育に熱心に取り組んでいる。

大企業にふさわしい人財としてさらに成長を

3Fに(株)店舗開発マネジメント、4Fに大祥建設(株)を構える<

3Fに(株)店舗開発マネジメント、4Fに大祥建設(株)を構える

 平城社長が厳しい指導を行うのは、それが将来は若者たちのためになると確信しているからだ。若い組織はどんなに有能な頭脳を有していたとしても、どうしても経験値という財産が足りない。そして若いうちから役付きとなり自己評価が甘くなると、経験から得る人脈のありがたみに気付かぬまま、40代、50代を迎えてしまいがちだ。そのとき、己では避けがたい外部からの打撃を受ければひとたまりもなく倒れてしまうだろう。「若いうちに楽をしても、先々で障壁に直面したときに越えられなければ、もっと大変な状態で辞めなくてはならなくなる。それぐらいなら早いうちに鍛えた方が本人のためでしょう」と言う平城社長自身、これまで難所を乗り越えてきたからこそ、何が起こっても動じないという自信をつけることができた。乗り越える支えとなった人脈は一朝一夕に築けるものではない。

 業界の酸いも甘いも見てきた平城社長にとって、建設業というものは施工技術そのものではどの企業も大差なく、ともすれば顧客から「どこに頼んでも一緒」と言われかねない業界だ。だからこそ顧客に安心感を与え信用してもらうことによって、差別化を図ってきた。大切なのは、頭(かしら)が頻繁に現場に出ること。とくに大祥建設では、24時間常に現場に駆け付けられるような体制を整え、「いつでも頼れる頼もしい建築会社」であることを社命としてきた。また施工内容については、加工工程や内容を写真に収めて顧客に示し、目に届きにくいところで何を行いどのような材料を使っているかを説明しながら業務にあたる。丁寧な仕事ぶり、良い仕事をしているという自信は、自社を安売りしないという姿勢に表れている。他社比較による値引きなどは考えたこともない。協力会社に対する支払いも市場価格より高めの単価を支払うが、現場担当者の意向に沿わない場合は、無理に協力を求めることもしない。常に丁寧な応対で業者からも信頼を得てきた。

 その一方で、過去、株式上場した会社が、己の評価を過信して、やがて陰で業者など外部からの不評を買う例も目にしてきた。上場直前の行動は厳しい目で見守ることが必要だ。社員にも今だからこそ刺激を与え、大企業の社員にふさわしい人財に育て上げたいという親心が多分にある。その役目を、平城社長は引き受けようとしている。若手社員も、本社の社員も、自分の話を真剣に聞いてくれる。企業人生の晩年にSCHDの吉田知明社長率いる同グループの若手たちと仕事をできる喜びを噛みしめながら、自分が伝えたことを、やがて彼らが次の世代に引き継いでくれるという手ごたえを感じている。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
■大祥建設(株)
会 長:吉田 知明
社 長:平城 重則
所在地:福岡市博多区諸岡1-6-1
設 立:1947年3月
資本金:4,304万円(内準備金1,304万円)
TEL:092-584-1560
URL:http://taisyo-const.co.jp/

■(株)店舗開発マネジメント
会 長:吉田 知明
社 長:平城 重則
設 立:2010年8月
資本金:4,500万円
TEL:092-558-8410
URL:http://od-mg.com/

建設情報サイトはこちら>>
建設情報サイトでは建設業界に関する情報を一括閲覧できるようにしております。

 
(前)

関連キーワード

関連記事