2024年11月24日( 日 )

奢るヤマダ電機久しからず(1)

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 街の電気店から「安心価格保証」を掲げ急成長を遂げたヤマダ電機。次々に各地の家電量販店を傘下に治め、業界のプライスリーダーとして君臨してきた同社に赤信号が灯っている。
 今年6月末までに不採算の郊外店舗約60店を閉鎖。九州では大分県のテックランド日田店とテックランド大分佐伯店が閉店したものの、ベスト電器日田店とNew佐伯店がヤマダ電機の「テックランド」に名称変更、実質的な店舗の閉鎖はなかったが、ヤマダ電機の店舗閉鎖の影響は深刻だ。
 家電量販業界は再度生き残りを賭けた合従連衡の動きが加速することになりそうだ。これから今後予想される各社の経営統合の行方を検証していくことにしたい。

1.売上高について

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この表から見えるもの

・家電量販店は昨年4月1日から消費税が5%から8%へ引き上げられた反動から、1位のヤマダ電機の売上高は1兆6,643億円(前期比▲2,296億円)と大幅に減少したが、2位のビックカメラの8,298億円(前期比245億円増)を倍近く引き離し、ダントツでトップの座は維持している。3位はエディオンの6,912億円(前期比▲755億円)。
・4位はヨドバシカメラ(非上場)の6,515億円(前期比▲393億円)。同社は14年3月期の売上高と経常利益しか公開していないため推定値。全国に店舗展開している同社だが、15/3月期の決算はいまだに未公開(9月3日現在)で閉鎖的だ。家電の故障にはメーカー保証が1年付いているが、業界はサービスの一環として長期の追加保証をしており、たとえ財務内容は良くても経営の透明性が求められているのではないだろうか。5位はケーズホールディングスの6,371億円で、ここまでが6,000億円以上となっている。
・6位の上新電機は3,724億円(前期比▲294億円)。7位のコジマは2,623億円(前期比▲196億
円)、8位のノジマは2,441億円(前期比257億円)。9位はベスト電器で1,751億円(前期比21億円)。10位のキタムラは1,532億円(前期比11億円)となっており、6位以下は上位と大きな開き
があるのがわかる。

(つづく)
【北山 譲】

 
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