『ヨコミネ式』教育法の原点(後)
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社会福祉法人 純真福祉会 理事長 横峯 吉文
横峯理事長は、「私たちの教育現場では、きれいごとは一切ありません。泥臭いですよ。『ままごと』をさせている以上、子どもは育ちません。『ままごと』は3歳までです。それからは、自立を目標とした教育を行っていくことです。子どもたちは、向上心をいつも持っています。できる子の姿を見て『自分もそうなりたい、やりたい』という気持ちになります。その向上心を尊重して大切にして、意欲を高めることをするのが大人です。走って負けたら悔しいです。体操がうまくできなくて泣くこともあります。読み書きや計算が解けない、楽器でうまく演奏できないなど、思い通りにならないことが起こります。子どもなりに悩むでしょう。それでも答えを教えません。子どもが気づいてどうすればうまくいくか、できるようになるかを考えさせる環境を整えます。たとえば、文字を覚える場合は、簡単に書ける文字からです。漢数字の一は簡単ですね。そのように簡単な文字からスタートしていきます。子どもは、クリアすると難易度が少し高い文字にチャレンジします。そういう段階で環境を整えると、子どもは自ら考えて行動します。そしてできる子を見て、自分もやろうと向上心がもっと高まり、次々に難易度の高いことへチャレンジしていきます。できたことに対して正当な評価をして、認めることがとても大事です。ほめるではなく、認めるということです。読み書き、計算、体操、音楽、それぞれ『心の力・体の力・学ぶ力』での意義目的が細かくありますが、どのカリキュラムも子どもたちの無限の可能性を引き出すためのものなのです。子どもはそれぞれ能力が異なりますから、できるようになるまで個人差はあります。子どもたちなりに、できないときは厳しさを心身で感じるでしょう。そこには、きれいごとなどありません。どのようにすれば自分でできるようになるかを、子どもたちも先生も目標を共有していますから、チャレンジする心が持てるのです。ここでは、大人の論理のきれいごとの教育は一切ありません」と述べる。
もっともらしく見た目は論理的であるが過保護できれいごとが並べられた教育手法ではなく、『ヨコミネ式』では『生きる力』を育てていることが確信できる。
将来の教育の支柱となる
『ヨコミネ式』教育の本質は、将来の我が国を担う人材、世のため人のために貢献できる人々の輩出であり、すべての子どもは天才で無限の可能性を秘めていることを明確に表明している。それらは、同法人においては横峯理事長とその一同が、言動一致している。それは、過去も今もそしてこれからも不動で、一切のブレがない。なぜなら現在も、横峯理事長自ら保育園の現場に立ち、子どもたちとともに日々を過ごし、叱咤激励を行い汗を流しているからである。
現況、全国の教育現場は子どもとその親たちの対応に、忙殺されている。本来教育者の仕事である勉学と心身の成長を導くことに、時間をかけられないという声を聞く機会が増えた。「子どもを甘やかす親、我が国の過保護な体質、そして保育園・幼稚園が子どもや親にチヤホヤする体制が横行してきました。これら3つが混ざり合って、わがままな子どもと親が多い風土をつくってしまったのです。子どもは求めていないのに、親や大人が何でも与える。答えを教える。小手先のテクニックを教える。そして過干渉する。さらに、保育園や幼稚園側も腫れ物を触るようにして、子どもや親に対して接する。そして子どもや親が増長する。社会も『子どもを大事に育てましょう。危ないことは避けましょう』と過保護な教えを推進する。これらが、今の我が国の教育を衰退させているのです。自分さえ良ければ、他人様の動向など無関心。これでは、本当に我が国は崩壊します。きれいごとばかりの教育だから、今のこの惨状なのです。親である大人が、自分の目線で子どもに対して接することが間違いです。溺愛、放任、厳格─どれも過ぎたことを行えば、子どもは正常に成長しません。それに早く気づくことです。ヨコミネ式は、何度も言いますが自立する子どもの育成が本質です。自立には、自分で経験をすることが一番なのです。だから私たちは、子どもたちにさまざまな経験をさせます。それには、リスク・チャレンジ・冒険が必須です。だから、私たち先生や大人は、子どもが経験することに対して、キチンと見守り・支え・励まして、自立しようとする環境を整えて風土をつくり上げていくことが大切なのです。そして、毎日継続して行うことの大切さを伝え、気づくようにすることです。きれいごとの教育─見た目や体裁だけの中身のないごまかしの方法は、絶対に通用しません。すべての人間に使命があります。その使命をこの世で果たすのは、世のため人のためにお役に立つことが、基本姿勢ではないでしょうか。天から授かった天命を全うする人間になってほしいという想いで『ヨコミネ式』教育で子どもたちを育成していきます。根っ子の教育は、地の力を養うことです。これが『ヨコミネ式』の心の力・体の力・学ぶ力です。これらの能力を徹底して最大限引き出して、将来あらゆる分野で貢献する人材となってほしいです。『子どもは天才』であることを、より一層証明したいです」と横峯理事長は、これからの我が国の教育の現場での活動について提言する。
以上、『ヨコミネ式』教育について、横峯理事長の理念を中心に紹介した。『ヨコミネ式』が実際どのような教育か、現地に行けば体感・実感できる。「いつでも見学に来ていただき、話をしながら体感していただきたいです」と、横峯理事長は常に来園をオープンにしている。子どもとその親、先生との本当の信頼関係が築かれ、心血の通った教育を一体となってつくり上げ、日々進化させるための努力に尽力している。幼児の教育だけでなく、青少年、そして大人の社会においても『ヨコミネ式』の教育が導入されることで、歪んだ人間関係や人格が改善されるのではないかと期待する。我が国の再生の一環で、『ヨコミネ式』が大きな役割を担うことが明確である。
(了)
■INFORMATION
社会福祉法人 純真福祉会
代 表:横峯 吉文
所在地:鹿児島県志布志市有明町野井倉8547-1
設 立:1981年3月
TEL:099-471-4600
URL:http://www.yokomine.jp/<プロフィール>
横峯 吉文(よこみね よしふみ)
1951年3月、鹿児島県志布志市生まれ。社会福祉法人純真福祉会「通山保育園」を設立。現在は3つの保育園と「太陽の子山学校演習場」「太陽の子児童館」の理事長。そのユニークな「ヨコミネ式」子育ては全国的に話題となり、カリキュラムとして採用する保育園、幼稚園が急増している。法人名
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