日本の安全保障と日韓関係に見る安倍内閣の外交問題(1)
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ムライケミカルパック(株) 代表取締役社長 村井 正隆 氏
日本国内で賛否両論となった安全保障関連法案。言うまでもなく、自衛権の行使とは外交問題の先にある。安全保障を重要課題にあげる安倍政権だが、近隣国との外交についてはどうなのか。今回、ネットアイビーニュースでは、今年で設立40周年を迎えた福岡県日韓親善協会の創立時のメンバーであるムライケミカルパック株式会社の村井正隆代表取締役社長を取材。安倍政権下における日韓関係をふまえ、安全保障関連法案について意見をきいた。
(聞き手・弊社代表取締役 児玉 直)
――長年、日韓親善にご尽力されている立場から、安倍内閣についてどのように思われていますか。
村井正隆社長(以下、村井) 安倍晋三内閣ができた時、最優先でやるべきことは北朝鮮に拉致された被害者を取り戻すことだとされていましたが、取り戻すことが難しいとわかってきだしたら、何も言わなくなっています。拉致被害者の会の人たちは落胆していますよ。拉致問題担当大臣まで作りましたが、大臣がいたからといって何の役に立ちますか、まったく役に立たんですよ。安倍総理はまったくいい加減な男です。
――北朝鮮はもって3年ではないかと思いますがね。トップがいなくなれば、北朝鮮の人たちもコロリと忘れて、「よろしくお願いします」となるんじゃないかと。
村井 結局ですね、ほんとにいいのは一部だけでしょう。一部の人がいいといっても、たとえば、今の指導者の金正恩と一緒の列に並んだとか言うだけで「不敬だ」と言って殺されるとか、建設的な意見具申をしただけで、「何をぬかすか!」と殺されるとか、そうなったら、もう誰も命を落としてまで言いませんよ。それで、どれほどやっていけるのか。大方、予測がつきます。
――では、日本と韓国の関係はどういう風になっていきますか。
村井 私は、結果として、良くなっていくと思います。なぜかというと、アメリカと韓国は同盟を組んでいて、アメリカと日本は同盟を組んでいます。日本と韓国が悪ければ、アメリカが困ります。
――なんなんですかね、安倍さんの意地というか面子というのは。
村井 歴代内閣は、韓国といい関係を築いてきました。池田内閣や佐藤内閣の頃から、福田内閣に至るまでおもんばかりの外交をしてきたわけです。そして村山談話が出た。その後、小泉内閣であれ、誰であれ踏襲してきたわけです。結局、安倍内閣になってどういったかと言うと、「村山談話を必ずしも全面的に引き継ぐものではない」と言った。それから「河野談話を検証して見直す」と言った。さらに、「侵略という言葉は世界的に定まった見解がない」と言ったわけでしょ。そんなこと言ったら、韓国は「これは今までの総理とは違う」と思うじゃないですか。その一方で、「門戸は開いている」と言いますが、来れるわけないですよ。だから今は、“自分の強がり”をひっくり返している。そんなことなら、最初から言わなければ、こんなことになっていないわけですよ。村山内閣の後、20年続いた日韓関係が、安倍内閣になった途端に悪くなっています。口から出た自分の想いが国益を損じているのです。
(つづく)
【文・構成:山下 康太】関連記事
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