日本の安全保障と日韓関係に見る安倍内閣の外交問題(2)
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ムライケミカルパック(株) 代表取締役社長 村井 正隆 氏
村井正隆社長(以下、村井) なおかつ、安倍総理は、朴大統領の就任式に、一番近い隣国の総理大臣でありながら行きませんでした。その代わりに、首相特使として、韓国が最も嫌う政治家の麻生太郎氏が行ったわけです。なぜ、麻生氏が韓国から嫌われているのか。彼は、こう言いました。「創氏改名というのは朝鮮から要請があってやったんだ」と。どこの国の人間が、ご先祖の名前を変えたいと言うでしょうか。
第二次世界大戦で日本が負けて、田中という人間がトコトコ行って、「私を明日からケネディにして下さい」とか、鈴木が「私を明日からフランクにして下さい」と言いますか。ありえないでしょ。そして、麻生財閥は、(炭鉱で)朝鮮人の労働力を使っていたわけです。さらに、私は実際に見ていないのですが、朴大統領を一国の元首としてではなく、まるで妹扱いをするかのような態度であったと、韓国人は「我が国の国家元首に対し、何という態度をとるんだ」と言っています。最も近い国であるのに、それが初めの交わりです。私は日本人ですが、日本人・韓国人ということは抜きにして客観的に見ても、100%日本が悪いと思います。
――現政権のツートップが日韓関係をこじらせたということですね。集団的自衛権についても、必要云々以前に、国会での話の進め方はつたない印象を受けます。
村井 集団的自衛権や個別的自衛権、周辺事態法とかいうものは、普通の国民には、なかなかわかりにくいのです。私は、説明してくれと言われたら、こう話します。
個別的自衛権というのは、簡単に言えば、外国から攻められたら押し返す、日本が防御して国家・国民を守る専守防衛で、どこの国だって当たり前のことです。たとえば、自分の家に強盗が入り、自分の妻や娘を縛りあげて暴行をするとなれば、どんな非力なオヤジだって「この野郎!」と、かかっていくでしょう。当たり前の話です。
だけど、集団的自衛権というのは、自衛隊を軍隊と言わないのなら「派兵」とは言わないのかもしれませんが、自衛隊を他国の領土・領域に送って、そこで戦いをするという話です。天皇陛下は、戦後日本の繁栄は今の憲法のもとにあるから憲法改正はまかりならんと、とにかく日本は平和国家であり続けなければ日本の繁栄はないとメッセージを出していますが、聞いてか聞かずか、分かってか分からずか、どんどん進めていきよるわけじゃないですか。これがものすごい問題です。
第一線で戦うわけではなく、兵站(へいたん)部隊で補給だ、後方支援だと言いますが、兵站とは第一線で戦う部隊に戦うためのベースを送っていく話です。第二次世界大戦のガダルカナルでは、前線がどんどん進んでいくのに兵站が追い付けず負けたんです。必ず兵站は狙われます。兵站と第一線部隊は一緒なんです。
――私は、南シナ海までは、何かあった時にお手伝いに行かんといけないと思いますが、ドバイを訪れた際、ホルムズ海峡では、たくさんの小型船を使ってイランとの間で貿易していました。これは実際に行って見ないとわかりません。イランも石油を輸出しないといけませんから、政府の設定はおかしいのではないでしょうか。
村井 安倍総理が言うことと、防衛大臣が言うこと、外務大臣が言うことがバラバラです。全然意思統一がなされていません。防衛大臣には防衛省の役人、外務大臣には外務省の役人、総理には首相補佐官が付きますが、彼らの共通認識がないのでしょう。だから、答弁もちぐはぐで審議がしょっちゅうストップします。
(つづく)
【文・構成:山下 康太】関連記事
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