中国経済新聞に学ぶ~国境の都市・満州里に見る中露関係のいま(前)
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ロシアのプーチン大統領が北京で行われた抗日戦争勝利70周年の閲兵式に参加する前の8月下旬、中国経済新聞取材班は内蒙古自治区、ロシアに連なる辺境の都市、満州里を取材。中露辺境貿易の現状をつぶさに調べ、中露の経済合作の未来を探った。
満州里は人口わずか30万人だが、中国からロシアや欧州に通じる最大の交通の要衝で、中露両国最大の交易都市でもある。両国国境には有名な遠東鉄道があるが、両国の鉄道のレールの規格が異なるため、列車は国境の前で代表取締役社長の交換が必要となる。
現在、満州里には、かつての羊の群れや草原の香りなどは消えてなくなり、代わって政府の機関、駅、港から新築のマンション、ランドマークとなる建物やショッピングセンター、工場が立ち並ぶ。レストランや娯楽施設まで、ほとんどロシア風あるいはヨーロッパの雰囲気を醸し出している。満州里の政府職員は「中国人に来てもらってロシアの雰囲気を楽しんでもらいたいのです。ロシア人が満州里に来たらまるで故郷に帰ったように感じるでしょう」と語る。
中国政府は1992年から、満州里に国家級の開発区として中露国境貿易区を建設した。しかし満州里の本格的な発展は10年前からだ。中国の不動産開発の高まりに従ってデベロッパーが参入し、満州里の新都心の建設を始めた。政府は建築様式をロシアもしくはヨーロッパ風と規定した。そのため満州里は「ロシア」そのものである。
満州里の高聞何副市長は中国経済新聞の取材に対し、「この5年間が満州里の発展に最も適した時期だった」と語った。ロシアの金融危機の影響を大きく受けて、ロシア人の多くは経済的に困窮している。今年上半期、満州里の中露貿易額は去年同期比で40%下落し、満州里で買い物をする人も少なくなった。
取材班は満州里の新築マンションの多くが空き家であることに気づいた。これに対し高副市長は過熱する不動産開発によって満州里の部屋が過剰供給になったことを認めた。人口30万人の都市で、マンションの空き家が1万戸に達しているという。また高副市長は「我々はロシアの金持ちが満州里でマンションを購入すると思っていた。マンション購入の優遇政策も推進してきた。しかし実際には満州里でマンションを購入するロシア人はほとんどいなかった」と肩を落とした。
現在、中国がロシアから輸入しているのは主に木材だ。満州里口岸から輸入した木材は中国東北地区の家具製造や建築業に供給されている。他には石炭がある。中国がロシアに輸出しているのは多くが日用品だ。
(つづく)
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