寺子屋モデル学校設立への挑戦(後)
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(株)寺子屋モデル 代表取締役 山口 秀範 氏
教育とは新しい日本の原点
――学校を建てるうえで、どのような教育方針がありますか。
山口 昔は15歳で元服でしたから、小中一貫して学ぶ喜び、生きる幸せを実感させながら、自立して人生に立ち向かい公に尽くせる人材を育成します。完成予定地の周辺には山野が多いので、授業が終わったら皆で夕暮れまで泥んこになって遊ばせ、バスに乗せて帰る。それだけでもたくましく情緒豊かな子どもになりますよ。――鹿児島の横峯吉文さんが行っている「ヨコミネ式教育法」も多くの方々に支持を得ていますね。学ぶ意欲がある子どもの成長は、素晴らしいですよ。
山口 何も言わなくても自分のすべきことをわかっていて、やることが終わったら思いっきり元気に遊ぶ。これが子どもの自然の姿ですね。漢字は3年生までに小学生の範囲を全部教えます。1歳から9歳の子どもたちは苦痛なく物事を記憶できると脳科学で証明されていますので、その間に日本語の基礎と正しい歴史、道徳などを教えます。偉人たちの素晴らしい生き方をぜひ教えてあげたい。熱心な志高い先生を集めることが成否を決すると考えています。――山口社長にとって、教育とは何でしょうか。
山口 新しい日本をつくるための原点となるものです。学校を通して、日本を支える次の世代を育てると同時に、親たちや多くの心ある大人にも影響を及ぼしたいと考えています。最初に外から文明がやって来たのは聖徳太子の時代で、その文明を日本流に解釈し終えるまでに300年、遣唐使の廃止までかかっています。そして黒船が来てからおよそ150年経過した今、日本はちょうど折り返し地点に差しかかっていると。つまりこの折り返しの150年の間に、日本がどんな教育を施していくかが、将来の国を形成するうえで最重要になると思うのです。
――明治政府が成立してから太平洋戦争が終結するまで70年ありました。そして終戦から70年が経ち、国民が今の政治に疑問を持ち始めています。日本は定期的に大きな変化の岐路に立たされていると思います。
山口 国が変わると暮らしも大きく変わりますね。昔は「家訓」というものが代々受け継がれてきたのですが、今はほとんどありませんからね。昔からの教え、教養が今の暮らしに欠落しているので、それを取り戻して、変革の時期にも動じない心を育てたいです。――時代の異なる偉人の教えを、子どもたちに伝えるのは難しいと思いますが、どういった工夫をしていますか。
山口 たしかに難しいですね。時代ごとに文化があり、それに則った暮らしがあったわけですから。しかしそれを利用することもできます。たとえば二宮尊徳の偉人伝を語る当社の若い講師は、背中にまきを背負って登場します。その珍しさが子どもたちを惹きつけ、好奇心をかき立てます。追体験という言葉がありますけれど、何の知識も持たないときに追体験はできませんから。知識と体験を通して当時の生活を教え、偉人の教えを理解する土台を構築しています。――自立心を持った次世代の子どもたちを育んでください。大いに期待しております。本日はお忙しいなか、ありがとうございました。
(了)
【文・構成:川元 浩明】<COMPANY INFORMATION>
所在地:福岡市博多区博多駅東2-5-28
設 立:2005年2月
資本金:3,600万円
TEL:092-411-3055
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