下関ゴルフ倶楽部、理事長らの半額プレーで裁判に(後)
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会員有志は、理事長らの「ゴルフ半額プレー」に端を発した社員代表訴訟に続いて、新たに「会計帳簿閲覧謄写の仮処分」を山口地裁下関支部に申立てた。
「会計帳簿閲覧謄写の仮処分」申立ての経緯
今年6月17日午後、会員有志7名は弁護士2名とともに、会計帳簿開示請求書と会員116名の委任状を携え、一般社団法人下関ゴルフ倶楽部を訪れた。社団法人では会員の1割以上の要望があれば、書類の開示をしなくてはいけないという法的な決まりがある。
下関ゴルフ倶楽部の会員数は約1,040名で、116名分の委任状は1割を超えており、会計帳簿開示に仕方なく応じることになった。
会員有志は弁護士とともに、6月24日(水)と6月30日(火)の計2日間、会計帳簿の閲覧を実施。下関ゴルフ倶楽部は一部の開示しか応じなかったが、その領収書綴りから不明朗な会計処理が多数露見するや否や、その後の閲覧を拒否するようになったという。
会員有志は再度、理事のみならず幹事などの低額プレー費などを確認するために、銀行勘定帳、現金出納帳の閲覧を申し出たが、下関ゴルフ倶楽部は8月6日に弁護士を通じて、閲覧については「任意での提供はすべてお断りし、管轄裁判所の判断を待つ」との手紙を返してきたという。要は「開示は拒否する。不服なら裁判しろ」と態度を一変させる行為に出たのだ。2つの裁判の行方
そのため、会員有志は9月16日、社員代表訴訟に続いて、会計帳簿閲覧謄写の仮処分の申立てに踏み切ったのだという。
会計帳簿閲覧とは、決算書に不正が疑われる場合に株主が請求するもので、社員(会員)も株主であり、理事や取締役などの違法行為差し止めや損害賠償請求権が認められている。
山口フィナンシャルグループ社長(兼山口銀行頭取・もみじ銀行会長・北九州銀行会長)でもある福田浩一理事長は、これで2件の裁判を抱えることになる。
山口銀行の元役員にその話をすると、「自分はメンバーだったので、プレー費は1万円札でおつりがくるので現金で支払っていた。『半額プレー』の人たちは後ろに人が並べば金額がわかるので、カードで支払いをしてたのでしょうね」と答えたが、何か割り切れない顔を見せたのが印象的だった。2つの裁判に司法がどのような判断を下すかはわからないが、下関ゴルフ倶楽部は下関市を中心に、山口県内の個人・法人会員が多く入会している。同じく山口県を地盤とする山口銀行のトップが業務上ではなく、私的な問題で訴えられる事態に、金融機関を指導・監督する金融庁も強い関心を寄せているといわれる。
(了)
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