安保法制問題で目覚めた若者たちの想い(3)
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弊社では先日、安保関連法の成立を強行した安倍政権に対し、反対の声を上げるため、福岡で地元大学生を中心に7月に結成されたFukuoka Youth Movement(フクオカ・ユース・ムーブメント、以下FYM)の中心メンバーに話を聞いた。その中の一人、FYMのメンバーかつ北九州を拠点に活動するデモ団体「FYMkita9」の立ち上げ人、谷本咲太郎さん(以下、谷本)の話を紹介する。
―― デモに参加するまでの経緯を教えてください。
谷本 私は小学生のときから父親に連れられ、さまざまなデモ活動を見てきました。それから自然と運動に加わるようになり、東日本大震災の半年後には現地でボランティアを行いました。しかし、地元の北九州では震災や福島原発は過去のものになっていました。同じ日本のことなのになぜこれほど当事者意識がないのか、私は強烈な違和感に突き動かされ、地元でデモ団体を作ろうと決めました。安保法案反対を叫ぶFYMの活動に参加し、北九州でも安保法案反対を訴えようと模索した末、「FYMkita9」という団体を立ち上げました。
―― 安保法案に対してはどのように考えていますか。
谷本 私は安保法案に反対です。賛成派のなかには、軍事力を持つことで発言力を高めるという主張がありますが、武力を持たないゆえの発言力も持っているはずです。それなのに日本はその他大勢の国の1つになろうとしている。およそ70年間、日本の平和が保たれてきたのは、アメリカのおかげではなく、日本が武力を持たないと主張してきたためだと考えます。
―― デモに関わってきた中で実感したことを教えてください。
谷本 今回デモに参加して、自分たちも声を上げて良い、それは悪いことではないのだと知ることができました。また、若者が率先して行動を起こしたことで、今後政治に問題があった場合、若い世代が反対の声を上げやすくなるという効果は期待できます。しかし、仮に僕たちが投票して当選した議員が、実際期待と違う動きをしていたら声を挙げるべきです。それが民主主義ではないかと。
―― 最後に、今後の活動方針をお聞かせください。
谷本 安保法案の可決により、これからFYM内でもさまざまな意見が出ると思います。FYMkita9の場合は、組織票を投じる画策はありませんが、強行採決案を推し進める議員には投票しないように呼びかけているところです。また、デモ活動をしていくなかで、切り離して考えるべきでなかった問題も浮上しています。FYMは、安倍政権に民主主義を貫いてほしいという想いで今まで活動していました。そこから一歩踏み込み、たとえば安保法案や沖縄の米軍基地問題についてのそれぞれの意見や、根底にある想いなどを共有したいです。FYMkita9は、どこまでをFYMの意見、方針としていくのか、境界線を話し合って決めていきます。
(つづく)
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