2024年12月24日( 火 )

九州地銀の15/9月期(中間)決算を検証する(2)

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 引き続き別表1、2、3を見ていただきたい。

この表から見えるもの

2.西日本シティ銀行グループ(以下G)について
・昨年12月に長崎銀行を100%子会社しており、形式はともかく実態はFGの組成と同じだ。西日本シティ銀行Gの総資産は8兆9,797億円で九州FGの総資産を上回っている。
・預金残高も西日本シティ銀行Gは7兆8,544億円で、九州FGの7兆7,337億円を上回っている。また貸出金についても西日本シティ銀行単独で6兆2,587億円で、九州FGの単体合計5兆4,383億円に8,204億円の差をつけており、グループ全体では1兆800億円の差をつけてと大きくリードしている。実質的には3グループの中で第2位の座を確保しているのがわかる。
昨年10月に肥後銀行と鹿児島銀行が経営統合発表。その直後から猛然と巻き返しを図ったことが功を奏したしたものと思われる。

3.九州FGについて
・九州FGは今月1日に肥後銀行と鹿児島銀行が経営統合して発足したが、15/9月期決算は単体での計数となっている。28年3月期には九州FG傘下の肥後銀行・鹿児島銀行の決算となるが、果たして経営統合の成果はどのように表れるのだろうか。
・昨年秋両行が経営統合を発表した後、鹿児島銀行が大きく預貸金を伸ばしているのがわかる。主導権争いを意識したものと思われるが、今後両行出身者の人事がどのようになるのかも大きな関心事の一つと言えそうだ。

 いずれにせよ、来年10月に西日本シティ銀行Gが経営統合し西日本FG(仮称)となると、第三位グループに甘んじることになる。
ある金融関係者は「九州FGがこのままで終わるのか。それとも九州を代表する金融グループとなるのか。その命運を握るのは『今後いかにしてグループに属していない十八銀行や佐賀銀行などの第一地銀をグループに取り込んで行けるか』どうかにかかっている」と話しており、経営統合を果たしたばかりの九州FGの首脳陣は、巻き返しを図るために秘密裡に新たな動きを模索しているものと推測される。

 次回からは九州地銀18行の15/9月期(中間)決算)を検証していくことにしたい。

(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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