【2016展望】Game Changer=古賀氏の擁立へ~大久保勉参議院議員(2)
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民主党 参議院議員 大久保 勉 氏
まだまだ続くインバウンド需要
――「爆買い」という言葉は、今年の流行語になりましたね。今後もインバウンド需要に期待してもいいでしょうか。
大久保 はい。私は、香港経済界と非常に親しくしており、香港政庁と行き来するなかでいろいろと話をしています。2010年に日本と中国のGDPは逆転いたしました。それから今、どうなっているかというと、日本と中国のGDPは、ドルベースだと、わずか5年で2倍の差になっています。1つは為替の影響もありますが、潜在的な成長力が、中国は7%、日本は1%プラスαという状況です。7%の成長率が日本でついていたのは高度経済成長期です。「3種の神器」という言葉が生まれた昭和30~40年代は、いろいろな家電で生活水準が向上し、そして消費が喚起されました。そのような延長上に、中国の現在があると思います。
たとえ中国経済が落ちたとしても、中国国民の購買力は非常に高くなっています。実際、成長率が若干落ちたとしても、7%のものが5%ぐらいに下がっているという程度であって、引き続き、日本に比べて2~3倍の成長をしていることは間違いないと思います。
一方で、中国は、賃金がまだ毎年20%近く上がっています。最初は、金が入ってきたら質を問わずにモノを買うという状況でしたが、今では高品質のモノを求めるようになっています。日本製品、日本市場に対する信頼性は高く、したがって、中国の「爆買い」という状況は今後も続くと思います。――チャンスを逃さないためには、どういった課題がありますか。
大久保 インバウンドが増えたと言いましても、日本に来る外国人観光客の数は、たとえばフランスや中国、あとはタイなどに比べると、まだまだ少なく、伸びる余地は高いと思います。ただし、問題点は、受け入れ態勢が十分ではないこと。つまり、外国語でのサービス、それも英語のみならず、中国語、もしくは東南アジアの言葉、さまざまなサービスの形態も、現地の人に馴染むようなサービスが必要です。それと一番遅れているのは行政ですね。やはり、消費税など税の還付といったものは速やかに行う。先ほど言いましたように、入国審査がボトルネックになっていました。そうしたことを1つひとつ解決しないといけません。
――外国人観光客の数には、日本の外交姿勢も影響すると思います。
大久保 (現政権は)安全保障に関しては、かなりタカ派ですよね。対中国あるいは対アジアで緊張が走った場合には、インバウンドの動きに水を差す可能性があります。弱腰でいいとは思いませんが、しっかりと筋を通すべきであり、そもそも憲法違反の法律を無理やり通すというのは明らかにおかしいと思います。少なくとも国民の8割が十分に理解できておらず、憲法学者の9割が違憲であるとした、こういった法律を数の力だけで通すというのは、これまでの自民党歴代政権を含めて「ない」とは言いませんが、稀なケースですよね。バランスに欠く政権運営をしているような気がします。
(つづく)
【聞き手・構成:山下 康太、文:川元 浩明】関連記事
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