九大・箱崎キャンパス跡地に描く、都市未来図(後)
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(株)シェルフアソシエイツ 代表取締役 坂口 敬司 氏
――ほかには、どのような方向性がいいでしょうか。
坂口 都市には、歴史とか文化も含めて積み重ねてきた実績というものがあります。たとえば博多でしたら、博多町屋とか祭りとか、そういうものはそういうもので、あるべきなんですね。ただ、今回の箱崎キャンパス跡地の再開発に限って言うと、もう大きく発想を変えて、異次元と言うか、異空間と言うか、「ここは新しい博多だ」というような、そういう場所にしてもいいかもしれません。
福岡という都市全体の機能のなかで、今、どんな機能が欠けているのかという観点から考えてみるのもいいでしょう。たとえば、商業的な機能で言うと、天神や博多駅周辺など十分すぎるぐらいありますから、そこはもうあまり必要ではないと思います。足りないのは文化系のコンテンツとか、あとはインターナショナルですね。
あの場所だけは、何かインターナショナルな匂いがあってもいいと思いますし、海外の投資ファンドを呼び込み、税制優遇して特区をつくれば、自ずから金と人とが集まってくるでしょう。そうした外の力を呼びこんだ開かれた場所というのが、絶対に面白いと思います。従来型の小手先の手法ではもったいないですから、そういったような思い切った政策をやっていただきたいですね。――今、地方都市ではどこに行っても、幹線道路沿いには同じようなお店が並んでいて、都市としての個性がどこも失われているような状態です。そのなかで新しい都市づくりを行ううえで、福岡としての個性をいかに出していくか。そうした部分を今後、力を入れていかなければならないように思います。
坂口 今の都市計画は、ゾーンとゾーンに区切って、その間に道路などのインフラを整備するようないわゆる「ゾーニング型」が主ですが、それをあえてやめて「クラスター型」にしていくというのも1つの方法かもしれません。部分的には失敗してもいいんです。全体がどんどんと、細胞が入れ替わっていくように活性化していけば。
キーワードとしては、「常に進化し続ける実験場」みたいなものも面白いかもしれませんね。再生エネルギーですとか、制度、システム、教育など、そこに行けば、何か常に実験をして、新しいことにチャレンジしているような場。そういったものも面白いと思います。そして、そういうことをするためには、既存の発想では絶対にダメです。たとえば、建築家主導ではなく、いっそのこと、脚本家とか、演出家とか、そういった人がプロデューサーをやった方がいいかもしれません。行政が主導して行うと、若干面白みには欠けてきますから、もっとコンテンツプロデューサーみたいな、そういった方が入るといいと思います。
いろいろと意見を述べてはきましたが、いずれにしても、ハコ主導よりも中身主導で進めていった方がいいですね。
(了)
【坂田 憲治】<COMPANY INFORMATION>
(株)シェルフアソシエイツ
代 表:坂口 敬司
所在地:福岡市中央区赤坂1-14-22 センチュリー赤坂門ビル4F
設 立:2010年5月
資本金:950万円
TEL:092-714-7001
FAX:092-714-7002法人名
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