2024年11月25日( 月 )

1日で約1.9億円!西南学院の豪華すぎる100周年記念行事(2)

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1時間あたり約3,821万円

 創立100周年を迎える西南学院は、今年5月14日に開催する予定の記念行事に、総額1億8,790万円という金額を費やす。このことについて同窓生から、「清貧を旨とする建学の精神に反するのではないか」という戸惑いの声も聞かれた。「民間企業が自社の好調ぶりをアピールするために金をかけるならわかるが、この記念行事は同窓生など身内の集まり。豪勢にやる必要性がわからない」(中学OB)。

西南学院100周年 特設サイト 西南学院100周年 特設サイト

 当日の記念行事の内容は以下の通り。

 まず、午後1時30分から福岡国際会議場で行われるのが記念式典・講演会。入場は無料だが、座席の都合上、参加を希望する同窓生のなかから抽選で選ばれる。開催時間は式典40分、講演会70分。

 次に、午後4時30分からマリンメッセ福岡3階のサブアリーナで行われるのが合同同窓会総会で開催時間は35分。そして午後6時から同施設の1階メインアリーナで記念祝賀会が開催される。終了予定は午後8時30分で開催時間は150分。会には、学院OBの有名人がスペシャルゲストとして参加。西南学院高校の吹奏楽部と合唱部など、在校生や同窓生によるアトラクションが会場を盛り上げる。なお、合同同窓会総会と記念祝賀会の入場は有料。1枚5,000円(税込)でチケットが販売されている。

 午後1時30分から午後8時30分までの間に開かれる諸行事は休憩時間などを除き計4時間55分(295分)。すなわち1時間あたり3,821万円が使われることになる。関係者によると、その費用の内訳は以下のようなものとなっていた。
(1)記念式典・講演会 約2,380万円
(2)記念祝賀会 約8,900万円
(3)合同同窓会総会 約590万円
(4)共通費 約6,920万円

 (1)~(3)は、共通して会場使用料、会場設営・施工費、司会者などの人件費を含む。特筆すべき点としては、(1)は、記念品代として、1人5,000円で1,700人分850万円と、記念祝賀会参加者の記念品代1人1,000円で3,000人分300万円を含む。(2)は、会場で飲食物を提供するためのケータリング代3,200万円が含まれている。(4)共通費は、ホームページ制作費や広告費など。特設サイトの力の入れようは伝わってくるが・・・。また、ほかの金額が大きいため、あまり目立っていないが、(3)合同同窓会総会は35分間の開催で約590万円。わざわざ会場を分けなければ、もっと費用を抑えられるのではないだろうか。

 もちろん、この豪華な記念式典の費用は、同窓生や学院関係者の寄付や学院からの支出で賄われるのであろうが、西南学院が年間13億円もの補助金(2014年度決算より)を国や県から受けている以上、部外者にまったく関係がないとは言い切れない。加えて、同窓生の間に、上記のようなお金の使い道について違和感を与えているのは、次回で報じる『西南学院創立100周年記念募金事業』の募金状況が悪く、目標達成が危ぶまれているという現実があるからだ。「大金を1日でぱーっと、使ってしまうのではなく、学院の将来のために遣ってほしい」という声も寄せられている。

(つづく)
【山下 康太】

 
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