現在の生コン業界の裏側(前)
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「出荷するだけ、赤字を垂れ流している状態。1年前より1,000円前後も下落したらたまらない」と嘆くのは福岡地区生コンクリート協同組合内の生コン製造工場幹部の一人。
近年、我が国の生コン業界全体の市況は下り坂にある(2015年4月~12月全国の生コン総出荷量は6,701万3,356m3前年同期比92.7%)。福岡地区においても同様で下降傾向にある(同期総出荷量は、89万6,834m3前年同期比84.1%)。民官需とも相応に発生しているものの、大型プロジェクトは現況福岡市営地下鉄七隈線の博多駅延長工事くらいである。出荷量が減少、価格も下落、そしてアウトサイダーとの競合。市場が減少しているなかで、そのパイの取り合いをしているのが福岡地区である。設計価格は建築10,500円/m3、土木10,350円/m3で横ばいが続くものの、実勢価格は9,000円や8,500円とも言われている。「スーパーゼネコンの幹部たちは、当然ながら品質の良い生コンを使いたいと表明している。すなわち、建設現場により近い工場から輸送される生コンがベストであることはわかっている。しかしながら、工事原価全体のバランスを考慮し、原材料コスト抑えなければならないことも事実。そのコストの生コンの比率は高い。だから100円でも安い生コンを使わざるを得ない。よって、アウトサイダーの生コンが使われるのである。実勢価格が下落している上に、出荷量も減っている。商売の体をなしていない」(前出生コン製造工場幹部)と、依然苦境に立たされているのが実態である。
(つづく)
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