博多山笠東流代表1,000万円以上の簿外金認める 一部証言に食い違いも(後)
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博多祇園山笠の流の1つである「東流」で、巨額の簿外金が存在することや不正会計処理が行われていたことが発覚したと、福岡のニュースサイト「HUNTER」が報じている。
真偽を確かめるべく、東流の代表へ取材を行なったところ、ニュースサイト「HUNTER」の報道を認めたうえで、簿外金の存在も明らかにした。簿外金が生じた経緯やその取り扱い、また既報の山笠制作工事の状況を聞いた。一方で証言と食い違う部分も出てきており、以下に記していく。
さらに請負金額も不明瞭である。これについては、次のやり取りから浮上してくる。
<2月9日 東流代表宅でのやりとり>
――山の制作にあたって、どの部分を手がけているのですか。
代表 足場。飾り山の小屋を含めて。ほか、電気は電気屋、人形は人形師。名越工務店は台。本来は飾り山と舁き山と分離して、発注するべきだが、舁き山と飾り山の台は共用するので、どの部分にいくらかかったと正確に言えない部分がある。
――山は再利用するのですか。それとも毎年新築するのですか。
代表 流には7年に一度一番山が回ってくる。一番山になる年に作り変えることが多い。水をかけるので、傷んでくる。7年間は補修しながら、使うのが通常。障害物にぶつかると、足が折れることもある。
舁き山と飾り山の台の共用により、製作費がはっきりしない。その上、山は毎年新築されているイメージだが、実際一から新しく制作するのは、7年に一度でそれ以外は補修して、使っているという。再度、同社の工事経歴を確認すると、山小屋制作の請負金額は元請も下請も毎年ほぼ定額である。年によって、損傷の度合いも違うにもかかわらずだ。さらには新築される山もありながら、毎年定額で受注していること事態、不可思議である。
一連の不明瞭な資金の動きに対し、代表の説明は以下のとおりである。
――なぜ今回のような不明瞭な会計処理が行われていたのですか。
代表 昔から先輩がしてきたとおりにやってきた。飾り山は通常会計とは別にやってきた。だから簿外と言われれば、簿外たい。
――東流に1,000万円以上のプール金があるというが。
代表 それは先輩たちが貯めていた金。それを我々は崩さないように、守ってきただけ。もし何かの事故にあったときに、拠出しないといけないから。もう何十年も貯めてあるもの。それも帳簿には上げていない。
――実際そのお金はどこにあるのか。
代表 会計さんが帳面を持っている。郵便貯金に入れてあると聞いた。その金は全然使っていない。
――これまで事故などがあって、手をつけたことはあるのか。
代表 ない。過去に人形師が急死し、人形制作が間に合わないような事態になった。その時協賛企業4社が資金提供してくれたので、手を付けずに済んだ。
――東流には通常運営用の通帳と、1000万円プールされている通帳は別なんですね。
代表 そう。別。今利子がいくらになっているかもわからない。通帳も見たことがない。
――では、そのプールされている通帳も会計さんが持っているのですか。
代表 そう。あるという話は聞いている。
代表は、過去のしきたりに従って、協賛金の処理を行ってきたということを主張している。しかし、それが世間的にどのように見られるかは、深く考えてこなかったようである。どんぶり勘定で、事足りれば問題はないだろうという意識が今も続いている。確かに数十年前ならそれでまかり通ったかもしれないが、現代は違う。今や、地区の子供会の運営でさえ、ジュース1本だけでも領収書をもらう時代である。今の時代に合わなくなったという理由だけは済まされない。
収支の合わない山笠製作費、記載のない工事履歴などまだ謎は多い。
(了)
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