グローバル展開へ動き出したWebコンサルティング会社(後)
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(株)ペンシル 代表取締役社長 覚田 義明 氏
独自の研究で蓄積してきたノウハウをもとにWebサイトを分析し、クライアントの売上や成約アップにつなげていく研究開発型Webコンサルティングを手がける(株)ペンシル。ホームページでは、大手企業の通販サイトの売上拡大をはじめ、これまでに達成した数々の成功事例が記載されている。近年は海外支店の設立など、Webコンサルを武器に世界を舞台にした事業展開に乗り出した同社の代表取締役社長を務める覚田義明氏に、創業からこれまで、そしてIT業界で、トップで居続けるための要因を聞いた。
(聞き手:弊社リサーチ事業部副部長・鹿島 譲二)
グローバル展開始動
―― 一昨年には海外進出を果たされました。どういう流れだったのですか。
覚田 今までペンシルは日本企業に対して、国内市場で商品を販売するコンサルをしてきました。しかし少子化が進む日本で、今後マーケットが縮小していくことは避けられませんので、クライアントが商品を展開していくうえで、海外展開は必要でした。
――日本企業の海外販売のお手伝いということですね。
覚田 これまで国内で挙げてきた成功事例をもとに、日本企業の海外市場、また、海外企業に対して日本市場へのWebコンサルもできるのではないかと考えています。最終的には、世界の企業を世界の市場へ、というところまで持っていきたい。そうした展開を行っていこうということで、創立20周年を機にペンシルはグローバル企業になることを目指して「インターネットの力で世界のビジネスを革新する」と企業理念を掲げました。
――それで、まずはサンフランシスコに行かれたのですね。
覚田 Webやマーケティングを牽引してきたのがアメリカですし、マーケティングといえばサンフランシスコ。まずは2013年に、私自身がサンフランシスコのWebコンサルティング会社で3カ月ほどインターンシップをしました。
――現場で見たアメリカの水準は。
覚田 たしかに、マーケティングの世界ですごいと思わせられることはたくさんありました。ただ、私たちがやってきた緻密で細かいものというのは、やはり日本人が得意なところです。先ほどの「成功シート」に基づいた、Webの全領域において改善するサービスを提供する会社として、アメリカやアジアでも必要とされていると感じました。
――次の海外支店は考えていますか。
覚田 まずペンシルがこれまで蓄積してきた技術やノウハウが、海外展開にも役立つのかどうかという基礎研究や実験、実際の販売テストをやっていきます。ちょうどふくやさんのWebマーケティングを手がけたときに模索していた段階です。そしてこれまでと同じように、とにかく1つずつきちんとやっていく。1クライアントずつオリジナルのコンサルティングを行っていく。そこが私たちの一番の強みなので、1つずつ成功させていきたいと思います。そのために、今まで以上に研究、実験、成果のサイクルを強化してチャレンジしていきます。
――本社移転はありますか?
覚田 それはありません。チャンスと環境をいただいた福岡が大好きで、本当に豊かな街であってほしいと思っていますので、福岡本社は絶対に変わりません。いただいた恩を恩送りというかたちで、福岡に学校と研究所をつくり、福岡の若者にチャンスと環境を与えたいという創業の思いもあります。福岡にいながらにして日本の最先端の仕事ができる。そして、世界の最先端の仕事を福岡でできるようになっていきたいと思います。
(了)
【文・構成:吉井 陸人】<COMPANY INFORMATION>
代 表:覚田 義明
所在地:福岡市中央区天神1-3-38
設 立:1995年2月
資本金:5,200万円
TEL:092-515-1000
URL:http://www.pencil.co.jp/<プロフィール>
覚田 義明(かくだ・よしあき)
1995年に研究開発型Webコンサルティング会社『ペンシル』を設立。分析を強みとしライオン、カゴメ、江崎グリコ、リンナイ、全日本空輸、日本ベリサイン、など多くの企業のWeb戦略を成功に導く。2014年、サンフランシスコオフィス、15年に台湾オフィスを設立。14年にシリコンバレーに米国独立法人Pencil Inc.(ペンシルインク)を設立。関連記事
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