中国経済新聞から学ぶ~中国人の「爆買い」が終わる日は来るか(後)
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購買単価が昨年9月以降減少傾向
日本百貨店協会が毎月公表している「外国人観光客の売上高・来店動向(速報)」では、百貨店71店舗で免税手続きが行われた物品の売上総額や免税手続きをした客の数、平均客単価などのデータが明らかになっている。
2015年10月20日に発表された9月のデータでは、免税の売上総額が138億6,000万円と、前年の2.8倍だった。これは一見すると良い数字にも見えるのだが、その前月、8月の171億6,000万円に比べると、19%もの大幅な減少となっていた。また、免税手続きをした客の数も19万2,000人と、8月の22万9,000人から16%も減っていた。
さらに、免税客の単価が下落していることも気になる。免税売上高が過去最高を記録した15年4月の平均客単価は8万2,000円だったが、そこから毎月下落が続き、9月には7万2,200円にまで下落していたのだ。焦点は、2月の春節(旧正月)にどれぐらい中国から観光客がやって来るかだ。今年の春節にいずれの記録も更新することができなければ、中国人を主体とする外国人観光客の「爆買い」は、ピークアウトしたことになるだろう。小売業者からすれば、中国シフトを見直し、韓国や他のアジア諸国、欧米諸国からの観光客などにターゲットを移すタイミングということになるかもしれない。
総合免税店大手、ラオックス(株)が12日に発表した15年12月期連結決算は、最終利益が前期比約6.5倍の80億円、本業の儲けを示す営業利益が同約4.9倍の85億円、売上高が84.6%増の926億円で、いずれも過去最高となった。中国人を中心とする訪日外国人客(インバウンド)の「爆買い」で、国内店舗の業績が伸びたことが寄与した。
同社の羅治文社長は記者会見で、「当社はこれからも成長できる」と強調。一方で、世界経済の不安定さや、中国人客の購買単価が昨年9月以降、減少傾向であることなどをリスク要因に挙げた。
そのうえで、16年12月期連結業績予想は売上高が7.8%増の1,000億円、営業利益は18.4%減の70億円と、やや慎重な見方を示した。いずれにせよ、本格的に「爆買い」が終焉する前に日本人の消費を復活させなければ、日本経済は大打撃を被ることになりかねない。
(了)
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