1日で約1.9億円!西南学院の豪華すぎる100周年記念行事(3)
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2つの100周年
5月14日(土)に行われる西南学院の創立100周年の記念行事(以下、『記念行事』)の費用が約1.9億円で「豪華すぎる」と報じたことが様々な反響を呼んでいる。
まず、2013年7月1日から17年3月31日まで実施される「西南学院創立100周年記念募金」への影響が懸念されているようだ。断っておくが、西南学院100周年事業推進室の担当者(以下、学院担当者)に確認したところ、『記念行事』の費用は、すべて学院からの支出で賄われ、同募金に手をつけることはないという。同募金は、目標額を30億円に設定しており、奨学金基金の創設や小中高の施設整備、幼稚園・保育所機能の充実強化を目的とし、そのなかには新図書館や100周年記念館(仮称)の建築も含まれている。たしかに、募金のパンフレットでも『記念行事』は含まれていない。
昨年4月、「組織の総力挙げ 募金体制強化をお願いします」と呼びかける緊急要請が、大学同窓会のなかで出回った。この文書は、15年3月末時点での募金状況が3億2,000万円で目標額の1割程度というなか、大学同窓生の参加率がわずか1.4%であったことを憂慮し、文書などで呼びかけを強めるよう求めたものだ。「それをふまえて、記念行事にかかる費用が約1.9億円と聞くと複雑な心境になる」(同窓会関係者)。学院の支出がすべてで募金からの支出はないとはいっても、行われるのは西南学院の行事である。なお、15年11月末の時点で集まった募金の総額は約5.4億円。
「次の100年へ向けての投資」
「1日の記念行事に約1.9億円を費やす」と表したことに対する反論も寄せられた。「今回の100周年行事は、大学だけではなく、中学同窓会や高校同窓会も参加して行われる。その分、規模が大きくなる」「数千人が参加するほどの規模で行うことは、在校生や同窓生のつながりを再構築し、次の100年につなげていくために必要」といった意見が、同窓会関係者から寄せられた。
たしかに、募金の苦戦状況をふまえると、100周年を機に一斉に大多数の同窓生が集結する『記念行事』はあったほうがいいように思える。しかし、タイトルに同じ100周年が付いても「財布は別」という『記念行事』と募金事業。その区別は厳としており、学院担当者によると、記念行事のなかで、主催者側が同募金へのさらなる協力を呼びかけるなどの行為は一切しないという。
今回、『記念行事』について、学院担当者は、「(『記念行事』の)内容の案は学院側が作成し、同窓生も参加する準備部会に提出。検討したものを実行委員会、さらにその上の協議会に諮って決めています」と説明。学院と同窓生が「手作りでやろう」というのがコンセプトだという。また、約1.9億円の予算は、「使い切っていいというものではなく、大枠であり、協議のなかで圧縮を検討している」とのこと。次の100年の教育につながる“投資”と考えれば、約1.9億円という数字だけでその正当性を考えることは難しい。『記念行事』の中身について見ていかなければならないだろう。
(つづく)
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