元「鉄人」衣笠氏が斬る!~キャンプ地・沖縄散歩(2月19日・中日)
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若返りを図っている中日の、今年はどうなのだろうか。少し目玉の選手がいない関係で、キャンプ地のお客さんの数が少ないのが気になるが、谷繁監督はじめ選手は、昨年の反省を含んだ練習を見せてくれた。
中日といえば、かつてはミスの少ない、エラーの少ない野球を見せてくれていたが、ここ何年かは、そこが破綻してきたように感じて見ていた。昨年も90個を超えるエラーが出ており、中日の野球が表現できていなかったと思う。その反省か、この日は時間をかけて守備を練習していた。問題は、「なぜこの練習が必要か?」ということを選手が自覚してくれるか、ここに尽きる。今季の先発投手を挙げてみると、大野投手、若松投手は問題ないが、この次に来る投手が吉見投手。春先の寒さはどうだろう。昨年調子が上がらなかった山井投手、浜田投手にもチャンスがある。そこに岡田投手が入り、バルデス投手が絡んでくれると、バランスが取れる。
そして、新外国人投手がどこで使えるのかは、今からのオープン戦で見ていくことにしたい。昨年苦労した中継ぎの投手の出来が、今年もチームの勝ち星に大きく影響を与えることになると思う。昨年、何試合ここのポジションの失敗で試合を落としたか――。ただ、人はいるのだが、安心して任せる投手が出てくるか、ここだろう。田島、又吉、浅尾、祖父江、この投手たちの働き次第で、チームの順位が大きく左右されると思う。抑えは岩瀬、福谷投手に頑張ってほしいところだ。そして話題の新人投手の小笠原投手が昼の休み時間にメイングランドで打撃投手として登板して、先輩相手に見事な投球を見せてくれた。高校生の新人投手の場合、先輩に投げる時には「ストライクを投げなければ」「当ててはいけない」「抑えたい」――等々いろいろなことを考えながら投げるものなのだが、見事な投球だった。右の福田選手、左の古本選手に対して、左右関係なくストライクを投げるのに苦労することなく、バランスの良さを見せてくれた。四球の少ない投手になるだろう。もう少し時間が経てば、ボールのキレは上がり、打者が苦労するようなストレートが投げられそうだ。オープン戦での登板が楽しみな投手に見えた。
その投手陣をサポートする打線だが、こちらは「どうするのかな?」という段階だろう。ここ何年で、井端選手がいなくなり、和田選手の小笠原選手も引退して、代打を誰が受け持つのか。ここは、公式戦に入って考えるところだろう。
捕手の問題も解決したい。監督が捕手出身だけに、どうしても厳しい目で見るからなかなか決まらないのは仕方がないが、目安はつけたいところだ。
もう1つは4番だ。チームの柱というべき4番打者は、平田選手か、新外国人選手のビシエド選手か、これから見ていくのだろうが、早く決めたい点である。外野手が大島選手、藤井選手、平田選手の後のメンバーが出てこない。福田、井領、あたりに期待かな。
これからの課題として、代打、代走、守備固めのメンバーも考えたいところで、やることがいっぱいのオープン戦になりそうだ。
今年は、何としても上位での争いをしなくてはファンが失望するのではないか、というチーム事情があると思うだけに、谷繁監督には頑張ってもらいたい。● ● ●
宮崎、そして沖縄と見てきたが、ここまではキャンプ地での練習である。これからはシーズンと同じように、移動しながら試合を重ねていくことになる。
経験のある選手たちは、過ごし方を知っていることだろう。でも新しい選手たちは、ここからどう過ごすか、練習時間をどう確保するか、考えることがいっぱい出てくる。これもキャンプである。これを乗り越えて結果を残して、初めてレギュラーの座を射止めることができるのだ。
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