【提案】東亜大学学園廃校のお奨め(4)
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地方私立大学の苦境はさまざまなメディアで取り上げられてきた。下関市にある東亜大学も厳しい状況に立たされている。連載(3)で伝えたとおり、学生の募集で苦戦が続いている。募集定員を割る学科も多く、それは学校経営に数字となって表れている。以下、同学の財務状態、資産状態、貸借対照表の推移を示す。
平成26年度(2015年3月期決算)を見ると帰属収入(企業会計での売上高に相当)は13億5,600万円。授業料や入学金など学生から納付金が11億100万円。ほぼ横ばいながら直近6カ年では最も低い数値となっている。
帰属収入のうちの1割強を占めるのが国庫からの補助金だ。これは私立学校振興助成法(私立学校の振興を目的とする法律)に基づき、教育研究条件の維持向上及び修学上の経済負担の軽減に資するために補助されているもの。私立大学は学生の大半の教育を担うため、国が補助して教育水準を維持、向上させるためになされているのである。そのほか、26年度は地方自治体からの補助金もわずかながら受けている。補助金を1億4,500万円受けていても、収支のバランスは決してよくない。消費支出差額支出超過(企業会計での経常損失に相当)額は6億5,800万円で、少なくとも直近6期は赤字が続いている。26年度は基金の取り崩しなどをしてそれによって支出超過の補てんを試みたが、繰越利益剰余金にあたる消費収支差額の部合計は25年度に比べて約6,000万円悪化して、93億3,000万円の欠損となった。
文科省発表によると、平成27年度で国立大学86校、公立大学89校に対して私立大学は604校となっている。大学教育の大部分を占めるのが私立大学であるからこそ、教育の質の維持・向上のために国は格段の配慮をしている、ということが国の助成の根拠だ。東亜大学もその恩恵に浴して国庫からの税金の投入を受けているのだが、それでも足りない状況が続いている。
(つづく)
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