『知られざる真実』を明かす孫崎亨氏の新刊
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、元外務省国際情報局長である孫崎亨氏の新刊「小説外務省Ⅱ」(現代書館)について紹介した、3月6日付の記事を紹介する。
元外務省国際情報局長である孫崎亨氏が『小説外務省』(現代書館)の第二弾を刊行される。
『小説外務省Ⅱ』(現代書館)
出版社の紹介。
大反響を呼んだ『小説 外務省――尖閣問題の正体』から約2年の時を経て、待望の続編がついに登場!
主人公は、前作に続いて1977年生まれの外交官・西京寺大介。今作の舞台は、イランの首都・テヘランです。イランの日本大使館に左遷された西京寺とCIAのエージェントが繰り広げる苛烈な情報戦を通して、“世界の火薬庫・中東"を巡るアメリカの暗躍とそれに隷従する日本外交の無為無策を炙り出す。
ISの今後のターゲットを暗示するなど見逃せない情報を満載し、元イラン大使の孫崎享氏ならではの臨場感溢れる筆致で一触即発の中東情勢を活写。2020年の東京オリンピックに向けて、日本を標的としたテロのリスクが更に高まる中、物語仕立てで外務省の現行路線の危うさを分かりやすく伝えています。
また、 西京寺がイランの人々の心情を知るために読み込んだ『テヘランでロリータを読む』を始め、イランの詩、童話など多くの文芸作品を引用し、ストーリーに奥行きを与えている点も本書の大きな魅力です。
カバー装幀には、戦前からニューヨークで活躍し、開戦後はアメリカの戦時情報局で対日プロパガンダを引き受けざるを得なかった画家・国吉康雄の「ミスターエース」を使用。日本とアメリカの狭間で生きることに苦悩して描かれた絵画は、本書に登場するイラン出身のCIAエージェント・ルクサナの苦悩とも重なります。
情報の世界で生きる者は、絵画・文学・音楽など芸術を理解せずには使命を完遂できないことを示唆した傑作ノンフィクション・ノベル!多忙な日々をすごされるなかで、精力的な文筆活動を展開される孫崎享氏が『小説外務省』の第2弾を刊行された。
本書の冒頭に、尖閣諸島の取扱いに関する日中両国による「棚上げ合意」についての重要事実が改めて記述されている。1972年、北京で行われた日中国交回復交渉。会談には田中角栄首相、大平正芳外相、橋本恕外務省中国課長が出席した。裏側で合意文書作りに中心的役割を果たしたのが栗山尚一外務省条約課長だった。栗山尚一氏はのちに外務省事務次官、駐米大使に就任する。
この栗山尚一氏の発言が2012年10月7日付産経新聞(ウェブ版)で報じられた。
「(72年の日中首脳会談で尖閣問題について)この問題は無理しないで、棚上げしましょうということで暗黙の了解ができたということはその通りだと思うんです。72年の時に周恩来さんと田中さんの間で事実上そういう了解があったということを日本側も引き継いで、鄧小平さんも引き継いで、そしてもう一度78年に再確認した。暗黙の了解があった。それは事実だと僕は思います」。そして、もう一人の人物。橋本恕氏が『去華就實 聞き書き・大平正芳』(大平正芳記念財団)に事実を書き残していた。このことは拙著『日本の真実』(飛鳥新社)にも記述した。1972年の周恩来と田中角栄による尖閣問題に関する会話を正確に記述していたのである。
それにもかかわらず、現在の外務省はこの事実を否定している。
孫崎氏の新作には、過去2年に発生した国際的な重要事案に関する『知られざる真実』と、現在から未来の私たちの生活に重大な影響を与えるいくつかの重大な問題に関する記述が盛り込まれている。
911同時多発テロの真実。ウクライナの政変の真実。後藤健二さんイスラム国による拘束事件に対する日本政府の対応。そして、その際にイスラム国が発した「おまえの国民を場所を問わずに殺戮する。日本にとっての悪夢が始まる」の言葉の意味。さらに、オバマ政権が実現にこぎつけた米国等とイランとの核合意の脆弱性。
私たちが知っておかねばならない重大事実が語られている。3月18日(金)夜の「オールジャパン平和と共生 安倍政治を許さない!参院選総決起集会」には孫崎享氏も出演される。
1人でも多くの主権者の参集をお願い申し上げたい。※続きは3月6日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1380号「不安定化する中東情勢と高まるテロの脅威」で。
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