下関ゴルフ倶楽部総会~裁判所が検査役(3)
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いよいよ3月23日午前10時、下関ゴルフ倶楽部の年次総会が始まった。執行部側は福田理事長をはじめ、総勢18名が出席した。
・福田浩一理事長(山口FG社長兼山口銀行頭取)
・沖田哲義顧問弁護士
・前田昌宏支配人(元山口銀行員)
・秋本和正サブリーダー(元山口銀行員・前支配人)ほか事務局1名
・再任の理事候補13名(欠席者2名)冒頭から荒れる総会
開会に先立ち前田支配人から、「現会員数は1088口です。本日の出席者は委任状を含め、691口となっており、過半数を超えていますので、総会は成立します」と発言。続けて、「現在新規会員を200口募集していますが、今のところ60口の増加にとどまっています」と報告。年会費が129,600円(消費税込み)と高いため、一般のゴルファーからの購入はなく、山口銀行の取引先や現在クラブハウスの建て替えをしている清水建設の下請けが購入したと見られている。
その報告が終わると、すかさず裁判所から派遣されている山元検査役が異議の申し立てを行った。というのは「下関ゴルフ倶楽部を愛する会」(世話人住興信氏)が集めた委任状90口は、山元検査役経由で下関ゴルフ倶楽部へ届けられていたのに、出席口数に入っていなかったからだ。
しかし議長席に立った福田理事長は、「直接ゴルフ場に送付されていないので無効」と何ら法的根拠の説明もなく、一方的に宣言。議案の決議に大きな影響力を持つ90口の取り扱いを巡って、場内は怒号が飛び交うなか、強引に議事を進めていったという。改革派会員の一人は「あの頭取交代劇に登場する取締役会議も、こんな形で強引に行われたんだなと思った」と語った。あの頭取交代劇とは、今から約13年前の2005年5月21日に開催された山口銀行の取締役会議。就任して僅か2年の田原鐵之助頭取(当時)が解任され、福田浩一氏が選任されたことを指す。それを裏で指揮したのが前理事長の田中耕三氏(現山口銀行相談役)だといわれる※。
法的に根拠がない「無効宣言」から、執行部と改革派の対立は、さらにエスカレートしていく。まさに荒れる総会の幕開けとなった。
(つづく)
【データ・マックス特別取材班】※山口銀行の頭取交代劇は『維新銀行』として、NetIB-Newsで1年2カ月にわたり連載された。その後全面的に書き改め、2014年10月15日、講談社『実録頭取交替』(著者:浜崎裕治)に詳しい。
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