原点回帰、そして今こそ必要とされる「変化」~福岡青年会議所 藤眞臣理事長(中)
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発足から60年以上の歴史を重ねる福岡青年会議所。福岡在住の21歳から40歳までの若き経営者が、福岡の街づくりにいくつもの提案を行っている。今年、新理事長として藤眞臣氏が選任され、新組織の舵取りを行うこととなった。福岡青年会議所の現状と任期中の方針を聞いた。
――今年予定しているイベントや今年度の方針などをお聞かせください。
藤氏 イベントはまだ検討段階ですが、今年は青年会議所の活動の原点に立ち帰ろうというのが、方針のひとつです。単年ではなく、街の5年後、10年後について考えることを念頭に、海外へも視野を広げ、姉妹青年会議所の締結、そして別団体であるアジア太平洋こども会議イン福岡との連携も図っていきます。今後の5年後、10年後は福岡青年会議所にとっても、また他のあらゆる団体にとっても、様変わりしていく時期になると思います。それに対し、単なるシステムの変更だけではなく、視点を変えていく必要があります。これまで先輩方が築いてきたものをそのまま踏襲するのではなく、違った見方をしていく。そうしないと、変化は生まれてこないと思います。
――福岡はどのような街で、今後どのようになっていくべきだとお考えですか。
藤 県外で過ごした経験からも、福岡には福岡が好きな人が集まり過ぎていると感じます。自分たちが良いと感じることを外に押し付けるのではなく、客観的に見てみることが大切。反面、郷土愛が強いからこそ、結束できるという側面もあります。東京、大阪、名古屋に出せない味。福岡にしか出せない味は必ずあります。トップを目指す必要はなく、その地域でしかできないことをやっていく。これが地方に求められることでしょう。
地方創生が叫ばれるなか、福岡都市部が出せるコンテンツと周辺部が出せるコンテンツは違います。都市部と周辺部、相互の強みをお互いに融合させ、共に底上げできるかどうかを考えていかねばなりません。福岡には創業特区などチャンスが多いと思います。自然は都市部には足りないコンテンツで、子育ての環境にしても、地方を活かせる要素はたくさんあります。都市と地方をいかに結びつけるのか、これも今後議論していくべきものでしょう。他県から来訪される方が口をそろえて言っていただける「食」のレベルの高さももっとアピールできるはずです。
――この1年で理事長として、成し遂げたいことは何でしょうか?
藤 各委員長に活動を委ねていますが、私としては、経験を次世代に残して行きたい。海外との姉妹締結は実現すれば35年ぶりとなります。当時のことを知る人物は今の組織にはいません。資料もありません。しかし、新しいことを考えるきっかけとしては、十分価値があります。これまでに福岡青年会議所が関わっていない問題も多くあります。アジア太平洋こども会議イン福岡や中洲JAZZなど、継続事業への関わり方も考えていかなければいけません。また、新しい物を生み出していくためには、ある部分を外に委ねる必要性もあります。中洲JAZZも昨年には福岡青年会議所から離れています。
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