【熊本地震最前線レポート】(29)~16日未明に熊本で震度6強、一連の地震の「本震」か
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4月16日午前1時25分、熊本県阿蘇地方を震源とするマグニチュード7.3、最大震度6強の地震が派生した。この地震に対し、気象庁は1時27分に津波注意報を発表し、2時14分に解除した。震度6強は熊本県南阿蘇村、菊池市、宇土市、大津町、嘉島町、宇城市、合志市、熊本市。同県東北地方の一部から九州地方で震度6弱~1が観測された。気象庁は16日午前3時40ごろから記者会見を開き、1時25分の地震が一連の地震の本震だったと発表。14日午後9時26分に発生した地震は、この地震の前震とみられており、今後1週間は震度6弱程度の余震に注意するよう呼びかけた。
16日は午前1時46分に熊本地方を震源とするマグニチュード6.0、最大震度6弱、午前3時55分に阿蘇地方を震源とするマグニチュード5.8、最大震度6強、午前9時48分に熊本地方を震源とするマグニチュード5.4、最大震度6弱と、最大震度6弱以上の地震が立て続けに観測されており、さらに熊本県から大分県にかけて地震活動が活発化している。福岡県でも被害が発生しており、福岡県の発表によると午前7時現在で人的被害は軽傷10件、福岡市と北九州で1件ずつ家屋が一部損壊している。福岡市で139世帯253人、久留米市で413世帯1,051人など、県内全体で743世帯1,924人が自主避難した。
また午前8時30分、阿蘇山の中岳第一火口で噴火が確認された。気象庁は今回の地震と噴火の関連性は不明としている。
熊本県内ではさらに被害が広がっている。家屋倒壊や火災などで、新たに6人の死亡が確認された。菅官房長官は16日朝の非常災害対策本部会議後の記者会見で、熊本県を中心に同日未明起きた強い地震によって建物内などでの閉じ込め53件、生き埋め23件が発生していることを明らかにした。さらに震源周辺の各地で火災が発生しているほか、家屋やアパートの倒壊、トンネルの崩落も起き、救助を求める119番通報なども相次いでいるという。また熊本県によると阿蘇村にある東海大学農学部の学生アパートで11人が生き埋めになり、自衛隊のヘリコプターが救助に向かった。
九州電力によると16日未明の地震発生に伴い、午前10時現在、熊本県内163万1,000戸、大分県内500世帯、宮崎県内200世帯で停電している。稼働中の川内原発は通常運転を軽座族、停止中の玄海原発にプラントの異常は確認されないと発表した。西部ガスは午前1時50分、熊本県内10万5,000戸への供給を停止した。15日から運行が停止している九州新幹線について、JR九州は現在も再開の見込みが立たないとしている。九州各地の高速道路は通行規制区間が増えており、福岡県内の公共交通機関でも運行の見合わせが相次いだ。
気象庁は発達する低気圧の影響により、九州地方で16日夜から17日にかけて非常に激しい雨が降る恐れがあると発表した。熊本県内の揺れが強かった地域では地盤の緩んでいるところがあり、土砂災害の危険性が高いとして警戒を呼び掛けている。
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