2024年11月23日( 土 )

【熊本地震最前線レポート】(40)~16日 南阿蘇村の惨状(3)倒壊した建物 学生が犠牲に

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横倒しの軽自動車、家屋は1階部分が完全に無くなっている 横倒しの軽自動車、家屋は1階部分が完全に無くなっている

 南阿蘇村は熊本県北東部に位置し、阿蘇カルデラの南部に広がる村。人口は2016年2月現在で11,600人ほど。2005年2月に阿蘇郡長陽村・白水村・久木野村が合併し発足した。この南阿蘇村になんとか入る。そして東海大学阿蘇キャンパス到着。しかし、問題はこれから。倒壊したとされる下宿まで車が乗り入れることが出来ず、徒歩で現地に向かわなければならないのだ。その間、民家や東海大学阿蘇キャンパス関連のアパートなどを見かけたが、ほとんどが損壊している。たしかに道路も分断され普通の車は入れない。地すべりの影響で河川が土砂に埋まったまま。民家の横に止めてあった軽自動車はあまりにも地震の強かったのか、横倒しになっている。誰もが家屋から逃げ出し、広場や空き地などに避難し自失茫然としていた。

 事故現場となる下宿若竹には阿蘇広域消防本部の隊員を始め、応援に駆けつけた広島警察署の署員がガレキに埋まった学生の救出に懸命な救出作業を行っている。しかし、心肺停止の学生はこの後死亡が確認され大地震の犠牲のひとりとなった。

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 12部屋のうち11人の学生が住んでいたこの下宿。1階部分がつぶれ、完全に2階が落ちてしまっている。初めて見る人は1階建てと思うくらいだ。「パンケーキクラッシュ」という言葉が出回っているが、耐震化がなされていなかったということなら人災の可能性もある。

aso13 被害に遭ったある学生は「下から突き上げるような感じでドーンと揺れた。停電し、携帯電話の明かりで何とか逃げることができたが、自分は2階にいたので偶然助かったようなもの。亡くなった1人の人は1階にいた」と泣きながら当時の様子を語った。命からがら建物から逃げ出し、このままずっと庭に避難したままという。

 救助作業の間、地震の余震が時折起きた。ここに居ても再度地震が起き災害に巻き込まれる可能性は高いので、住民や学生たちは安全な場所へ移動を開始。大地震は大きな爪痕を残した。

(つづく)

 
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