「元気が出るよ」悪魔の誘惑、覚醒剤!
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元プロ野球選手の清原和博被告が2月2日に逮捕されてから約2カ月が過ぎた。覚醒剤使用や所持による逮捕は収まることなく世間を騒がせているが、その実態を追ってみた。
元C-C-Bの田口容疑者、覚せい剤使用の容疑で逮捕
4月14日神奈川県警はロックバンドC-C-Bの元メンバー田口智治容疑者(55)を覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕した。田口容疑者は昨年7月にも覚醒剤取締法違反(所持)で逮捕されており、昨年9月に横浜地裁で懲役1年6カ月、執行猶予3年の判決を受けていた。
元「歌のお兄さん」杉田光央(あきひろ)容疑者も
NHKのテレビ番組「おかあさんといっしょ」で俳優の杉田光央容疑者(50)が4月13日、覚醒剤取締法違反容疑(所持)で逮捕された。本人は「間違いありません」と認めている。
もう戻れない~心も体も破壊する
覚醒剤はもともと眠気を取り除き興奮作用をもたらす薬である。麻黄の茎から搾った液が原料で漢方薬であった。この薬から抽出した「アンフェタミン」や「メタンフェタミン」が覚せい剤である。眠気や疲労感がなくなり頭がさえたような感じになる一方で切れたら激しい倦怠感に襲われる。また依存性が強く、使用を続けると幻覚や妄想が現れるほか錯乱状態になり、発作的に他人に暴行を加えたり殺害したりすることがある。服用を停止してもフラッシュバックとして残る場合がある。「シャブ」「スピード」などの俗称でも呼ばれている。一旦覚せい剤を使用すると脳が使用した時の興奮作用を記憶してしまいやめられなくなる。まさに心も体も破壊してしまう悪魔の薬である。
再犯率は約65%!
警察庁刑事局組織犯罪対策部の資料によると薬物事犯検挙人員の推移は1996年~97年は2万人を超えていたが年々減少しており2014年は13,121人である。そのうち83.5%の10,958人が覚醒剤事犯である。覚醒剤事犯の特徴は「暴力団構成員などが多い」「再犯者数が多い」「若年層に比べて30歳代以上が多い」という特徴がある。覚醒剤事犯のうち平成26年は6,024人(検挙人数の55.0%)が暴力団構成員などである。また7,067人(検挙人数の64.5%)が再犯者であった。
福岡県警によると15年の県内全薬物事犯検挙人員は1,027人。前年比17.5%の増加である。内訳は覚醒剤が76%の781人、大麻が129人、麻薬13人、指定薬物96人、麻薬特例法8人となっており福岡県内においても覚醒剤が主流となっている。大麻については14年(65人)に比べ検挙人員は倍増しており増加傾向にある。家で隠れて栽培しやすいことなどが原因とのこと。
成熟社会といわれて久しい現代社会はストレスも多く、人により多種多様な悩みを抱えている。街角であるいは繁華街で「一回だけなら大丈夫」「元気が出るよ」など甘い言葉で巧みに誘われても決して手を出してはいけない。一度でも手を出すと「もう戻れない」転落の人生が待っている。
【吉武 輝実】
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