韓国総選挙でパク・クネ与党が惨敗、焦点は大統領選へ~大本命のパン・ギムン氏が本格浮上へ(後)
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では、次の大統領選挙はどうなるのか。
まず、与党セニリ党内の有力候補と目されて来た金武星(キム・ムソン)代表の威信は大きく傷ついた。もともと大衆的な人気のある政治家でもなかった。呉世勲(オ・セフン)元ソウル市長は、総選挙にすら落選してしまった。一時期の人気市長の末路は哀れである。「与党惨敗」の結果を受けて、与党内では他の有力議員にも「大統領候補」の視線が向かいそうだが、いずれもドングリの背比べ程度に過ぎない。
パク・クネ大統領の近辺では、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長しか担ぐしか、もう「タマ」はなさそうだ。潘総長は国連での任期を今年11月に終える。韓国の中部・忠清道の出身。国連事務総長としての仕事ぶりには、国際社会で大いに批判がある。しかし韓国では「国際的な大物」である。セクハラだとかのスキャンダルが暴露されない限り、次期大統領候補として浮上するのは確実だろう。野党側が「総選挙勝利」で図に乗っていると、寝首をかかれることになりそうだ。
一方の野党圏は、次期大統領選挙の構図が複雑になった。
文在寅(ムン・ジェイン)「共に民主党」元代表は、ひとまず目標を成し遂げた。しかし、全羅南北道・光州市の23議席を「国民の党」に明け渡した。アンチ勢力の存在は明瞭だから、大統領候補としては傷がある。首都圏での善戦の功績は、むしろ金鐘仁(キム・ジョンイン)代表側にあろう。
「国民の党」は安哲秀(アン・チョルス)代表を中心に勢力の拡大を図らざるを得ないが、かつてのような清心なイメージは失われている。
(了)
<プロフィール>
下川 正晴(しもかわ・まさはる)
1949年鹿児島県生まれ。毎日新聞ソウル、バンコク支局長、論説委員、韓国外国語大学客員教授を歴任。2007年4月から大分県立芸術文化短期大学教授(マスメディア論、現代韓国論)。
メールアドレス:simokawa@cba.att.ne.jp関連記事
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