池田親興氏が語る、ホークス3連覇への手応え(前)
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今年のシーズン開幕から、苦しい試合が少し続いたものの、強さを見せつけ、さっそうとリーグ首位につけた福岡ソフトバンクホークス。3連覇へ向けて、今シーズンはどのように戦い、そして地元ファンに、どのような強さを見せてくれるのか。球団・選手を物心両面で厚くサポートしている(株)電子商事・中野武志社長とともに、密着取材を通してホークスの強さを解き明かすプロ野球解説者の池田親興氏に話をうかがった。
――3連覇を目指しているホークスですが、昨シーズンとの違いはありますか。
池田親興氏(以下、池田) まず、昨シーズンまでの戦いを通して、どこのチームもホークスについては強いチームだとわかっています。戦力的にも充実していますし、2軍、3軍のなかにも1軍に上げてもいい選手がたくさんいます。独走させず、いかにして食らいついていくかというなかで、まず、ホークスとの試合には、良いピッチャーを起用してくることが考えられます。
工藤監督は、今年の序盤は、おそらく去年と同じようにはいかないと考えています。怪我で出遅れた大隣や中田など、投げてみないと調子がわからないベテランもいますし、新しい打線が機能するかしないかというのも、何通りのパターンのなかから作って精査していかなければなりません。最初のうちは、やはり手探りの状況だと思います。とくにキャッチャーについては斐紹を使っていますが良い所もあれば、悪い所も出ていますので、鶴岡や高谷、そこに一番手を置いたうえで、ファームにいる細川を含めて考えていかなければなりません。
懸念されるのは、開幕からしばらく7~9回で大量失点するケースが目立ちました。そこが盤石だったからこそホークスは強かったわけです。当初、好調だったロッテは、中継ぎ以降に防御率0.00の投手が多く、ほとんど点をとられていません。先発のローテーションが6人だと、中継ぎのピッチャーがきつくなるのですが、ただ問題は、そういう試合を続けていくと登板過多になっているため、おそらくベンチワークがすごく大変になってきます。その辺で選手の力をどう当てはめていくかは、監督・ベンチの手腕にかかっています。
分業制が主流になってきた昨今、先発が完投・完封する試合は少なくなってきています。いわゆる『勝利の方程式』です。先発ピッチャーが7回まで投げれば、8回、9回をそれぞれ誰に任せるか、6回までなら7回から考えないといけないといった、いかに先発ピッチャーの後ろを消していけるかという残り3イニングの戦いになってくると思います。
(つづく)
【聞き手・文:山下 康太】
<プロフィール>
池田 親興 (いけだ ちかふさ)
1959年5月17日、宮崎県生まれ。法政大学卒。83年にドラフト会議で阪神から2位指名され入団。85年は開幕投手に指名され、チームの日本一に貢献した。91年にダイエーに移籍。95年、ヤクルトに移籍し、同年現役引退。中野 武志(なかの たけし)
1944年、福岡市生まれ。法政大学経済学部卒業後、(株)フジソクに入社。福岡営業所所長まで勤めた後、退社。同営業所の営業基盤を譲り受けて77年3月に会社を設立。代表取締役に就任した。趣味は野球とゴルフ。関連キーワード
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