2024年11月24日( 日 )

九州地銀(18行)の決算を検証する(6)

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3.当期純利益について

 表は九州地銀(18行)の当期純利益(16/3月期)順位と自己資本比率である。

(1)当期純利益について

<表から見えるもの>
◆第1位は福岡銀行で前期比93億円増の456億円(前期比+25.6%)。第2位は西日本シティ銀行で前期比20億円増の269億円(+8.4%)、第3位は肥後銀行で前期比17億円増の139億円(+14.4%)。第4位は鹿児島銀行で前期比4億円増の115億円(+4.2%)となっており、4行が100億円超えとなっている。

◆第5位に浮上したのが宮崎銀行。前期比35億円増の98億円(+57.2%)となり、大分銀行の97.6億円(+0.7%)を、6,400万円だが上回った。預貸金も大きく伸ばしており、今後予想される九州地銀の金融再編で、大分銀行に勝るとも劣らないぶんキャスティングボートを掴んだと言えよう。

◆第7位は十八銀行で、前期比1億円増の68億円(前期比+1.1%)。来年4月にふくおかFGと経営統合を予定している。福岡銀行は別格として、十八銀行が共に52億円の当期純益の熊本銀行と親和銀行より上位となっている。預貸金を含め福岡銀行に次ぐ経営規模は、ふくおかFG内でその存在感を示すことになりそうだ。

◆第10位に躍進した宮崎太陽銀行は前期比27億円増の46.9億円(+136.6%)と大幅な増益を達成したが、安定した収益源の確保には至らないようだ。
 第11位には佐賀銀行。第12位に南日本。第13位に筑邦銀行と続く。ただ下位行に順位変動が多く見られるのは、収益構造そのものに不安定要素が多いことの証左でもあると言えよう。

◆前期比マイナスとなったのは4行。大きく減益となったのは長崎銀行で前期比▲4.7億円の4.4億円(▲51.6%)。次が熊本銀行(▲34.3%)。以下南日本銀行(▲14.0%)、佐賀銀行(▲2.2%)の2行となっている。グループに属していない南日本銀行及び佐賀銀行にとっては、まだまだ厳しい経営が続くことになりそうだ。

(2)自己資本比率について
◆自己資本比率の第1位は肥後銀行で12.1%。第2位は十八銀行で11.59%。第3位は鹿児島銀行で11.54%。以下大分銀行(10.84%)、北九州銀行(10.75%).、宮崎太陽銀行(10.04%)と続き、熊本銀行(10.00%)までが10%越えとなっている。
 九州地銀18行のうち、自己資本比率が一番低いのは福岡中央銀行の7.92%だが、他の銀行同様にパーセルⅢの国内基準4%を大幅にクリアしている。ただ問題は不良債権が多発した場合、その余力に乏しく、赤字に転落する可能性が高いと言われる。自己資本比率はあくまでも目安であるが、下位行にとっては健全経営が最優先の課題といえそうだ。

 

hyou

 
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