九州地銀(18行)の決算を検証する(7)
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4.まとめ
17年3月期の収益予想について
表を見ていただきたい。親和銀行と北九州銀行の2行が増益予想となっているが、熊本地震の影響を受け公表を見合わせている九州FGの2行を含め、16行が減益予想となっている。
今年1月29日、日銀がマイナス金利政策を発表した。16年3月期決算に与える影響は残り期間がわずか2カ月しかなく軽微だったため、増収増益の銀行が多かった。しかし17年3月期は多くの銀行がその影響を大きく受けることになる。<表から見えるもの>
◆17年3月期の当期純利益予想は、ふくおかFGが提携行の福岡中央銀行を加えると460億円で大きくリードしている。次が西日本FG(仮称)で提携行の豊和銀行を加えると239億円。
しかし16/3月期には経営統合に伴う負ののれん発生益884億円を加え1,084億円の当期純利益を計上した九州FGは、熊本地震の影響が甚大なことから未発表となっている。6月21日に株主総会が開催される予定となっており、減収減益がどの程度になるかに、注目が集まることになりそうだ。◆減益比率予想が一番高いのは、宮崎太陽銀行の▲76.4%(46.9億円→11億円)。次が福岡中央銀行の▲62.6%(10.7億円→4億円)で、予想を上回る佐賀共栄銀行の▲54.8%(6.4億円→3億円)と続く。下位行は地域経済の影響を受けやすく、さらに減益となる銀行も出てくるものと見られる。
◆一方上位の福岡銀行は▲7.5%(456億円→422億円)。西日本シティ銀行は▲14.6%(269億円→230億円)と、やや抑えた予想となっているものの、むしろ最近の日経平均株価は、消費税引き上げ延期によるデフレ回避を好感し16/3月末を上回ってきており、増額修正する可能性が高くなってきている。(別表参照)
◆九州地銀18行のうち、ふくおかFG5行(福岡・熊本・親和・十八に福岡中央)、九州FG2行(肥後・鹿児島)、西日本FG(仮称)3行(西日本シティ・長崎に豊和)、北九州銀行(山口FG傘下)の計11行がグループ入りしている。
人口の減少及び地域経済の縮小により、全国の地方銀行では金融再編が急ピッチで進んでおり、単独で生き残るのは厳しい状況となっているのが現状だ。
残る7行は、第一地銀の大分銀行、宮崎銀行、佐賀銀行、筑邦銀行の4行と第二地銀の南日本銀行、宮崎太陽銀行、佐賀共栄銀行の3行。
はたしてこの7行のうち、第一地銀4行は、同じグループのふくおかFGか。それとも九州FGとの経営統合を選択するのか。また第二地銀3行は同じ相互銀行がルーツの西日本FGとの経営統合を目指すのか。
九州地銀(18行)の株主総会は、6月21日の九州FGから、6月29日までに順
次開催される予定となっている。経営トップに与えられた時間は残り少なく、今まさに決断の時期
を迎えているといえそうだ。(了)
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