開発に揺れる柳橋連合市場(4)~立ち退き交渉急ぐ業者
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柳橋連合市場一帯を再開発しようという構想はずいぶん前からあったが、依然として実現はしていない。部分的な開発は今に始まったものではないけれども、現在2つの開発案が同時に進行しており、それぞれの説明会が住民および事業者に向け重ねられている。大規模開発を進める地場業者と部分開発を進める県外業者。2者の取り組みをめぐり、市場内関係者の反応にも温度差が生じてきている。
ジョイフル社の態度に不信感ぬぐえぬ
高口ビル建て替えに向けて、ジョイフル社は4月中旬、第一回目の入居者向け合同説明会を開催。いわゆる「立ち退き交渉」である。以降、ジョイフル社と入居者の間で、個別面談が行われた。
しかし、不信感をぬぐえぬまま、個別で説明を受けても事態は進まない。不信感の原因になっているのは、ジョイフル社の対応である。高口ビルの所有権が移転していないこと、売買契約が成立しない可能性があること。また現物件所有者から「賃貸借代理および管理委託」を依頼されたという旨の契約書を提示し、ジョイフル社が立ち退き交渉する権利を主張していることも不審の種。個別面談では、高圧的な態度で退去を迫るなど、苦情まじりの意見も聞こえてきた。さらには個別の話し合いで退去に合意しない入居者に対し、弁護士を通じて「調停申立書」を送付するなど法的手段に出ている。これら一連の対応が重なり、入居者はもちろん、市場関係者はジョイフル社への警戒心を解かないようだ。これまで長年、同所で営業している事業者にとって退去は大きな問題であり、即答できるものではない。時間をかけて話し合いを持つべきだが、このようにジョイフル社が開発を急ぐのはなぜか、関係者内でも様々な憶測が飛び交っている。
決済は6月30日
退去を急がせる理由はなにか。関係者の取材より浮かび上がったのは、決済の期日だ。高口ビル売買の決済日が6月30日であることが判明した。同社の財務状況から判断して、金融機関からの資金調達余力は十分とはいえない。ジョイフル社としては、この日までに資金を調達しなければならないが、全室退去が決まらないと資金は降りてこない。そのため、十分な話し合いを重ねず、早急に退去させる手段として、法的手段に出た可能性もある。立ち退き交渉の現状を取材すると、現在ではほとんどの入居者が退去に合意しているという。
(つづく)
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