【提案】東亜大学学園廃校のお奨め(9)
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サテライトキャンパスの建設に失敗し、売却を余儀なくされた東亜大学だが、その開発に関して、下関市の市民は当初より懐疑的だった。当時をよく知る市民は語る。
「下関駅前にサテライトキャンパスをつくると言っていましたが、駅前の一等地につくる意味がよく分かりませんでした。結局、開発は行き詰まりましたが、ああ、やっぱりな、という感想をみんな持っていたと思いますよ。温泉を掘っていましたが、なぜサテライトキャンパスに温泉が必要なのかもよく分かりませんでしたし。サテライトキャンパスを含む複合施設にしようと考えていたのかも知れませんけれども、サンロードで失敗した土地ですからね」
サンロードの土地を更地にして、温泉を探すボーリングを行った。しかし、温泉は出ずサテライトキャンパスは建設されずじまい。そもそも、サテライトキャンパスがメインならば、温泉は必要だったのかも不明だが、計画は中止されて二束三文と言っていい価格で結婚式場へ売却することになったのだ。その結果、残ったのは多額の借金である。
構図としてはサンロードの多額の負債を東亜大学が肩代わりしたというようにも感じられる。なぜそんなことをしたのか。サンロードと東亜大学をつなぐ人物がいるのである。サンロードと東亜大学の両者の代表を務めていた人物は現東亜大学学長兼理事長の父・櫛田薫氏だ。山口県によるとサンロードの東亜大学への土地売却時は薫氏が両者の代表を務めていたわけではない、とのことだが、現在、薫氏にはサンロードの残った債務の重畳的責任を指摘されており、事実上の代表であったことは推測できる。
自身が代表を務めるサンロードが行き詰まり、自身が代表を務める東亜大学がその土地を買い取った。そして、その買収にかかる費用は当時の日本私学振興財団(現・日本私学振興・共済事業団)からの融資でまかなっている。日本私学振興財団(以下、財団)とは、私立大学教育を充実させるために税金を活用して運用する団体である。つまりサンロードの債務を返済するために、経営トップが同じ東亜大学を利用したという見方もできよう。
現在、元サンロード理事長で元東亜大学理事長の櫛田薫氏は山口県からサンロードの残債10億8,234万円と、その利子および違約金を合わせて66億340万3,621万円の支払いを山口地方裁判所に訴えられている。一方、東亜大学は財団への返済を迫られ続ける状態となっているのである。また、下関市はサテライトキャンパスへの投資と学業研究に用いられていない大学所有の土地について市税を払うよう督促しており、現在、代表自宅と大学所有の土地の差押えがなされている。
(つづく)
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