開発に揺れる柳橋連合市場(7)~高口ビル建替進めるジョイフル社とは
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柳橋連合市場一帯を再開発しようという構想はずいぶん前からあったものだが、依然として実現はしていない。部分的な開発は今に始まったものではないが、現在2つの開発案が同時に進行しており、それぞれの説明会が住民および事業者向けに重ねられている。大規模開発を進める地場業者と部分開発を進める県外業者。2者の取り組みをめぐり、市場内関係者の反応にも温度差が生じてきている。
関東での住宅開発で実績
ジョイフル社は1996年7月に設立された不動産業者。創業より、本社を置く東京都や神奈川県を中心に、マンションや戸建住宅の開発および販売を展開。とくに戸建分譲住宅では「ジョイフルタウン」シリーズを数多く提供している。賃貸物件も保有しており、マンションを中心に不動産賃貸業も展開している。
福岡支店開設は2008年頃。以降福岡でも、首都圏と同様に地主に対し、住宅地の開発や商業店舗などの不動産活用を提案している。福岡市中央区春吉の柳橋連合市場に支店を移したのが14年9月。その頃より、柳橋周辺での不動産開発を手がけるようになっている。同地は地権者が細かく分かれており、交渉により、それをまとめていくというもの。市場関係者の話では、ジョイフル社が最初に手がけたのは2、3年前で、そこは現在マンション建設中である。その後も、同市場内の不動産取得を進めており、まとまれば販売展開していく計画だ。また、マルキョウ柳橋店跡地では、土地を借りて駐車場を運営。当初はマンションやホテルなどの建物建築を計画していたようだが、進入口が狭いこともあり断念している。
そして、現在立ち退き交渉が続いている、同市場内中央部に位置する高口ビルに着手することになる。
焦る交渉、迫る決済期日
高口ビルの所有者と売買契約を交わしたことで、ジョイフル社は4月より立ち退き交渉を開始。個別に面談した入居者からは「ジョイフル社が高圧的な態度で、早急な立ち退きへの合意を迫ってきた」ということが指摘されている。一連の強引なやり方により、入居者だけでなく同連合市場の組合員も不信感を抱いている。
なぜそれほど急ぐのか。――買収したはいいが、まとまらずに塩漬けになっている土地もある。不動産関係者はこう語る。「本拠地東京には、活況を呈する市場がある。それでも福岡で活動を活発化させるあたりに、ジョイフル社の苦しい台所事情が見える」
15年9月期末時点の同社の有利子負債は長短合わせて、約14億7,000万円。これは売上高と同規模であり、借入金依存度は実に、84.9%となる。新たな資金調達余力は乏しいと考えられ、一部関係者から「資金調達に苦労している」という声もあがっている。営業利益は3,000万円を超えているが、そのほとんどが支払利息で消え、経常利益は216万円に留まっている。高口ビル決済の期日は6月30日。資金調達できなければ、すべてが白紙に戻る可能性もある。(つづく)
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(株)ジョイフルコーポレーション
代 表:佐野 吉裕
所在地:東京都町田市能ヶ谷5-1-14
福岡支店:福岡市中央区春吉1-1-1
設 立:1996年7月
資本金:5,000万円
業 種:不動産売買、賃貸ほか
売上高:(15/9)15億3,682万円関連記事
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