ジェネリック医薬品の急伸で、製薬再編成加速
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近年よく耳にするようになったジェネリック医薬品。特許が切れた医薬品の後発品として、新薬より安い薬価がつけられ販売される医薬品がジェネリック医薬品だ。医薬品の価格は、公的保険制度の仕組みとセットで、製薬会社と厚生労働省の間で交渉が行なわれ、中央社会保険医療協議会の了承を経て決定される。新薬が出ると類似薬や製造原価を参照し価格を決め、「薬価改定」で実勢価に合わせる形で引き下げていく。ジェネリック医薬品は、開発費がかからないため新薬の20~70%程度の薬価になる。このジェネリック医薬品が業界に新たな波を起こしつつある。
これまではジェネリック医薬品が出ても、継続して開発メーカーが販売し、特許切れ薬が製薬メーカー収益を支えていたが、診療報酬改定でジェネリック医薬品が積極的に使用されるようになり、急速に販売額・利益率が低下している。
そこで大手製薬メーカーは、特許切れ薬の関連技術を売却し、その資金を新薬開発につぎ込む行動に出た。アステラス製薬は消化器病薬などで約500億円、塩野義は感染症や消化器疾患薬などで約200億円にのぼる。とはいえ国際競争力が付いたとはいえない。欧米の大手製薬メーカーは、年間3兆円以上の売上があり豊富な研究開発費と大型のM&Aで新薬開発をして成長を続けている。日本最大手の武田でも売上高は2兆円に届かない。欧米の製薬メーカーと競争し生き残ってゆくためには、ジェネリックの台頭により利益が落ちた国内大手製薬メーカーの再編を加速させ、売上・研究開発費で外資メーカーと肩を並べ、新薬開発ができる体力をつけなければならない。
【酒井 満】
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